『鎌倉殿の13人』~後追いとチョイ先取りコラム その112
第31回 諦めの悪い男
今回は雑感&次回に向けて仁田忠常(ティモンディ高岸宏行)について
比企能員(佐藤二朗)討ち取られましたね。あと、善児(梶原善)が2回続けて人を殺めなかったですね。次回、頼家暗殺はやはり善児か?年老いた善児の最後の大仕事になるのか?
ところで、時政(坂東彌十郎)に呼び出された能員は、『念の為』、衣の下に甲冑を身に付けてましたね。お気づきの方も多かったと思いますが、これは第15回『足固めの儀式』の一場面の回収劇です。
第15回は、あの上総介広常(佐藤浩市)が梶原景時(中村獅童)に殺された神回。鹿狩りと称して頼朝(大泉洋)への謀反を企んでいた三浦義澄(佐藤B作)らの様子を伺いにきた能員。危うく討ち取られそうになり、「我らの仲間になると誓えば助けてやる」と広常に言われ、「わしも頼朝のやり方はどうかと思っておったのだ。力になりましょう」と抜け抜けと言った能員。「御所に戻って謀反の動きはなかったと伝えろ」と広常に言われ、戻ろうとした時、岡崎義実(たかお鷹)から「『念の為』下に鎧でも着込んでおいた方がいいぜ」と言われる。その通りにした能員だったが、頼朝の御前で対応を協議していた時、「さっきから何の音じゃ」と頼朝に咎められ、「比企の能員、すでに戦の支度はできております。ここは戦うのみ!」と啖呵を切る。
この『念の為』に甲冑を着込むところが、今話の題名『諦めの悪い男』に繋がる。『鏡』で能員は結構あっけなく、仁田忠常らに殺されてしまうのだが、三谷幸喜は神回第15回の一場面を能員の最期の場面に持ってきた。ドラマにハマりまくっている者からすると、そのこだわってきたことに大きな満足感を与えてくれる脚本だった。
ちょっと熱く語りすぎましたね(笑)今回、能員を討ち取った忠常だが、次回も活躍するはず。それをちょっと先取りします。
比企一族が滅亡した3日後の9月5日、病に臥せっていた頼家(金子大地)は奇跡的に回復する。ことの次第を知った頼家は、和田義盛(横田栄司)と仁田忠常に北条時政を殺せと命じる。義盛はこのことを時政に知らせるが、忠常はそれをしなかった。翌6日夜、時政は能員を滅ぼした褒美を与えるために忠常を自邸に呼んだが、夜が更けても忠常は出てこない。不審に思った忠常の下人は、弟の五郎と六郎にこのことを伝えた。二人は、将軍からの命令がバレて、忠常はすでに殺されたと思い込み、復讐のため、義時を討とうとその下に向かった。(なぜ時政ではなく、義時なのかは不明。)二人は矢を放つなど義時暗殺を試みるも失敗。五郎は波多野忠綱に討ち取られ、六郎は館に火をかけて自刃した。忠常は名越の時政邸を出て、自邸に戻る途中にこのことを聞いた。そして、事ここに至っては最後まで戦って死ぬしかないと言って、御所に行ったところを加藤次景廉(かとうじかげかど)に殺された。
次回は、将軍頼家の最期が山場となるだろうが、その陰で忠常も最期を迎える。ティモンディ高岸の役者としての才能が試されそうな回になりそうだ。
おまけ
なんと佐々木秀義(康すおん)の孫が医者だったとは・・・。そして、役者は同じ。でも滑舌は雲泥の差 笑。三谷幸喜やるなぁ