『鎌倉殿の十三人』〜後追いコラム その93 | nettyzeroのブログ

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『鎌倉殿の13人』~後追いじゃない先走りコラム その93

第22回 義時の生きる道

今回は、次回第23回『狩りと収穫』への前振りについて

 

 堀田真由ちゃん登場しましたねぇ。キャワゆいですね。おじさん、キュンです💓

堀田真由ちゃん演じる比奈については、次回書こうかと。

 

鎌倉殿の13人】比奈(堀田真由)が初登場「美しすぎる」「巧みな表情演技」の声 | ORICON NEWS

 

今回は、今話の中で巧みに仕組まれた三谷流二つの前振りについて。

一つ目は、範頼(迫田孝也)。

 

佐藤浩市・上総広常が粛清死! 緻密に配された「H難度」脚本の着地がピタッと決まった理由【鎌倉殿の13人 満喫リポート】15 |  サライ.jp|小学館の雑誌『サライ』公式サイト

(この時の範頼はカッコよかった:第17回 助命と宿命)

 

 上洛した頼朝(大泉洋)にこき使われるだけで褒美がないと反発していた三浦義澄(佐藤B作)、岡崎義実(たかお鷹)、千葉常胤(岡本信人)、土肥実平(阿南健治)らは、源範頼、比企能員(佐藤二朗)を前に不満をぶちまける。常胤が飲み過ぎて寝ぼけたことで、宴は終了となるが、その後、範頼、能員二人は飲み直す。

 

 能員は「蒲殿(範頼)はいつも彼らのことを気にかけておられる。蒲殿が鎌倉殿であったらよかったのに」と。それに対して範頼は、「兄上あっての私だ」とその場を切り抜けた。その93でも書いたように、次回でおそらく死ぬか流罪となるであろう範頼。それも鎌倉殿への謀反を疑われての誅殺。その前振りがこの場面だったと思う。あんなに真っ直ぐに兄頼朝のことを思っていた範頼なのに、頼朝ってひどい!という印象を植え付けるにはもってこいの場面だったと思う。ただ、それだけだと義経(菅田将暉)の時とそれほど変わらないので、能員や時政(坂東彌十郎)が、範頼誅殺の裏で一枚噛んでいたのではないかと思う。

 

 頼家(金子大地)の乳母夫能員と頼朝の次男実朝(柿澤勇人)の乳母親北条時政は、共に幕閣の中で権力掌握を目論む存在。政子(小池栄子)が頼朝の正室となったことで、時政は権力を握ったが、頼朝亡き後、頼家が将軍になれば、権力は能員に移る。能員も時政も自らの地盤固めとして、より多くの御家人たちに与してもらうことが重要。第三勢力として、ベテラン御家人の信任の厚い範頼は、目の上の瘤。実直すぎるほどに実直な範頼に、自分達の企みを話しても、同意は得られるはずもなく、嗅ぎつかれでもしたらそれこそ自分達の身が危ない。

 

鎌倉殿の13人>金子大地“源頼家”ビジュアル解禁! 頼朝の息子、北条と争う二代将軍(MANTANWEB) - Yahoo!ニュース

(二代将軍頼家:金子大地)

鎌倉殿の13人」源実朝役に柿澤勇人 「新しい実朝をつくりたい」3度目の大河出演 - ドラマ : 日刊スポーツ

(三代将軍実朝:柿澤勇人)

 

 範頼は、時政、能員どちらにとっても扱いにくい存在だった。また、頼朝にとっても、自分の次に征夷大将軍になるであろう頼家の行く末を考えれば、頼朝の弟としての『血筋』と『権威』は大きな脅威。つまり、範頼は権力をめぐる対立のどの勢力から見ても『目の上の瘤』だったのだ。かくして範頼は、政治の表舞台から姿を消す。

 

源範頼の墓。

(範頼の墓:伊豆修禅寺)

 

 二つ目は、全成(新納慎也)。今話の中で、後の実朝の乳母として妻の実衣(阿波局:宮澤エマ)が選ばれた時、自らの今後を占ったものの、自分の占いは半分しか当たらないのに吉と出た。あと半分はどうなるのかと悩む全成。実はこれも今後への大きな前振りであると推測する。

 

NHK大河ドラマ【鎌倉殿の13人】第12回「亀の前事件」感想 | ドラマ@見とり八段

(全成と実衣(阿波局)

 

 どの回になるかは不明だが、頼朝が1199(建久10)年1月13日に薨じた後、先ほど書いた北条時政と比企能員の対立は激化する。全成は妻が実朝の乳母だったことから時政と与して反頼家・反比企として、頼家と対立する。

 

 1203(建仁三)年5月19日、全成は謀反の疑いありとして、頼家が遣わした武田信光によって捕らえられた。夜中の12時頃だった。そして、同25日午後4時頃には常陸国に流された。翌6月23日、命を受けた八田知家(市原隼人)の手によって、全成は誅された。享年51。

 

タグ:阿野時元の写真 - 写真共有サイト「フォト蔵」

(全成と四男時元の墓:大泉寺(だいせんじ):静岡県沼津市:下野国(栃木県)で刎ねられた全成の首は、一夜にして屋敷(大山寺の墓のあるところ)まで飛んできたという。平将門ばりの伝説だ笑:四男時元は、実朝が暗殺された後、将軍職を狙って挙兵するも失敗。自害したと言われる。:五輪塔と宝篋印塔がミックスされたエキセントリックな供養塔だ)

 

 かくして頼朝の兄弟は、全てこの世から消え去った。頼朝自身も含めて。しかし、頼朝の妹(坊門姫:ぼうもんひめ:藤原北家の血筋を継ぐ一条能保の妻)の血筋は京で引き継がれ、頼朝の妹の曾孫藤原頼経は、三代将軍源実朝暗殺後、四代将軍として京から迎えられた。