『鎌倉殿の十三人』〜後追いコラム その12 | nettyzeroのブログ

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『鎌倉殿の13人』~後追いコラム その12

第4話 矢のゆくえ ~りく(牧の方:宮沢りえ)の占いに関連して

 

 頼朝がりくの求めで筮竹(ぜいちく)を引き、山木襲撃の日を決める場面。あれは史実ではない。

 

 

 『吾妻鏡』は、都の神職佐伯昌長(さえきまさなが)と頼朝の右筆で百般に多才と言われた藤原邦通(くにみち)の二人が『卜筮(ぼくぜい)』を行ったと記す。実際はかなり儀式張ったものと思われる。卜筮とは、亀卜(きぼく)と占筮(せんぜい)のこと。

 

 

 亀の甲羅を焼いて、その割れ加減で吉凶を占うのが亀卜。筮竹(細長い竹棒)を両手でさばき、片手で掴んだ竹棒の数で算木と言われる六本の短い棒を並べ、吉凶などを占うのが占筮。どちらもかなり高度な専門知識を必要とするものだ。

 

 

 では何故りくがイカサマのようなくじを引かせる場面となったのか?

 

 

 その答え。りくは今後の展開上、大きな鍵を握る人物だから。

 

 

 まずは、その6で取り上げた『世紀の夫婦喧嘩』の火付け役、そして畠山重忠(中川大志)一族滅亡のキーウーマン、三代将軍源実朝を殺し、娘婿を将軍にしようとした牧氏事件の張本人と言ったように、幕府を揺るがすようなさまざまな事件の原因となる人物だ。

 

 

 脚本家としては、りくに頼朝挙兵の片棒を担がせる、それも、彼女の今後を暗示するような策略を巡らせてという設定で。壮大な前振りだ。結果、彼女は自らの策略によって時政と共に自滅することになるのだが。

 

 

 先述の藤原邦通は、要害の地と言われた山木館を徹底調査した人物でもある。飲み会が行われている山木館にシラッと潜入。それも数日間居座って、地形などを詳細な絵図にして頼朝に届けた。その出来栄えは、その場に居るようだと『吾妻鏡』は記す。頼朝たちはこの詳細な図面を使って、襲撃当日の作戦を綿密に立てていたのだ。

 

 

 ちなみに山木兼隆は、公式サイトの登場人物紹介には書いてないが流人!

 

 

 詳細は不明だが、父平信兼とトラブって訴えられ、官職を剥奪されて伊豆に流された。ちょうど、清盛義弟時忠が伊豆知行国主となったタイミングで。そして時忠から目代(代官)に任命された。

 

 

 流人が地元で平家の威を借りてやりたい放題。もう滅茶苦茶ですね。でも、義時たちのストレスは第5話で少し解消されるはず。

 

 

 その13は八重(ガッキー)が放った矢について考えます。