このブログはNHK大河ドラマ『鎌倉殿の十三人』をより楽しく見ていただけるよう、番組終了後に内容の補足や歴史的事実などを気ままに書き記すものです。ぜひ、お気楽に読んでください。1コラム800字程度にまとめていく予定です。
『鎌倉殿の13人』~後追いコラム1
今年の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』。脚本が三谷幸喜ということで話題だ。確かに、三谷感満載のコミカルなスタートだ。しかしこれは、これからの波乱を際立たせるための演出。『平家物語』が平家の滅亡を劇的にするためにその繁栄を誇張したように。
でもドラマを見ていると「本当?」と思うところが多々あるはず。そこでこのコラムでは、ドラマをより真の歴史に近づけつつ、次回への期待感を盛り上げていきたい。ただ、紙面の都合上、全てを詳らかにできないことはご容赦いただきたい。
ちなみに私は、大学で鎌倉時代初期の歴史を研究し、30数年間、東京の学校で歴史を中心に教鞭をとってきた元教師。今回の大河ドラマは、私のド・ストライクな時代だ。
閑話休題。
第一回副題は『大いなる小競り合い』。
小栗旬扮する北条義時が姫を馬に乗せて、追手から逃げるスリリングな場面から始まった。その直後にメインテーマと共に流れるのがシブサワ・コウのCGというのも『信長の野望』にハマった方なら興奮しただろう。さらに、最後まで見るとその姫は、口髭のまま女装した源頼朝(大泉洋)だったというオチが。約50分前に仕掛けた壮大な前振りだったのだ。『三谷マジック炸裂!』などとネットもざわついた。
ここでは、芸人坪倉由幸扮する工藤祐経に注目する。都帰りの北条時政の宴席で舞を踊って歌を歌った人物。このコラムはいきなり超脇役から始まるの?、と肩透かしをくった方もいるかもしれないが、今後の展開を先読みするとなかなかおいしい役どころなのだ。ネタバレは控えるが、工藤祐経は、藤原南家(奈良時代には摂関時代を現出した藤原北家と並ぶ家柄)の流れを汲む人物。伊東祐親によって所領を没収され、落ちぶれた姿も描かれたが、この後、紆余曲折があって源頼朝に重用される。ある意味、頼朝の命運を握る人物でもあるのだ。これからも坪倉いや工藤祐経から目を離せない?果たして三谷氏はこの“紆余曲折”をどのように描くのか?史実としては彼が一因となって、後に、とんでもない事件が起こるのだが・・・次回以降が楽しみ!