根付道<Netsuke Road> -2ページ目

根付道<Netsuke Road>

気楽にぶらぶら、根付蒐集の道を歩くブログです。

 


 国際根付ソサエティの2025年冬号が届きました。表紙は、現代根付師・栗田元正の作品。さすが元正、技巧と情感のバランスが絶妙で素晴らしい作品に仕上がっています。僕はこの人、100年後のオークションで高値が付く作家の一人だと思っています。

 

 100年後ではありませんが、先日行われた毎日オークションでも現代根付には高値が付いていました。

 

 特に駒田柳之の作品は毎回100万円超。細密彫りや彩色の技巧にプラスして、作品に漂う“物語の雰囲気”が人気の理由かもしれません。一方で、中川忠峰の作品は毎回不落札か数万円いけば良いほうです。何がこの違いを生むのか?僕は、わかりやすい「技巧の差」だと見ています。
 

 他の斎藤美洲、森哲郎の作品を見てみましょう。こちらは50万、70万と高値落札されています。どちらも細密彫りの難しい技巧モリモリの作品です。こういった傾向をみると、技巧をあまり取り入れない作家は、現代のオークションでは評価が厳しい傾向があるようです。
 

 

 ただしこれは、現代根付のお話しです。古典根付の世界では評価軸が違うことがあります。技巧派でなくても高値が付く作品はゴロゴロとあり・・・。
たとえば、内藤豊昌の兎──技巧は控えめですが、300万円台で落札されることも珍しくありません。
雰囲気、時代性、そして“豊昌銘”の美学が評価されるのが古典根付の面白さです。

 

 現代根付と古典根付の違いは、オークション価格に如実に現れていて面白いですね。もしかすると、今は評価が厳しい中川忠峰も、100年後には栗田元正を凌ぐ評価を受けているかもしれません。
僕は、確実に死んでいて見ることはできないけど……(笑)