根付道<Netsuke Road> -17ページ目

根付道<Netsuke Road>

気楽にぶらぶら、根付蒐集の道を歩くブログです。

 先月の有明骨董市での戦利品の紹介です。

ここの骨董市は、西洋骨董専門ブースがあり、沢山の業者さんが出ています。普段は和骨董色ばかり見ている僕ですが、西洋骨董にも色々と物珍しいものかあるので楽しく回っています。

 

そんな西洋骨董を扱う店で、ふと目に留まった木箱。上部がガラスで4段引き出しの中がすべて細かく仕切られていました。これは、根付のコレクションボックスにぴったりだと立ち止まって見ていると女性店主がすかさず声をかけてきました。


 「それ、イギリス製ですよ。アクセサリー入れとして使われていた、なかなか良いものです」
「へえ、イギリス製なんですね」と言いつつ、内心では「ホントかよ」と思っていました。仕切りのサイズが妙に小さくて、ネックレスや指輪にはちょっと窮屈そうだし、木の質感だとアクセサリーは映えない感じです。むしろ、ボタン入れだったんじゃないか…そんな気がしてきます。



 

 箱の裏には、古そうな「ABEL MORRALL Ltd」のラベルが残っていました。調べたら英国の針や裁縫用品の老舗メーカー。となると、やっぱりこれはアクセサリー入れというより、ボタンや糸巻きなどを整理するための箱だったのかもしれません。




 

 ただ、箱の右上が少し壊れていたのが気になりました。角が欠けていて、木の地肌が見えている。そこで「ちょっと壊れてますね。お値引き、ありますか?」と聞いてみたのですが、店主は首を横に振るだけ。「38,000円それ込みでの値段ですから」と言われてしまいました。

 女性店主にありがちな渋さです。店主は男より女のほうが、絶対に渋いのは骨董市のセオリーです。(笑) 正直、30,000円くらいにしてくれたらありがたかった。でも、こういうものは一期一会。次に来たときにはもうないでしょう。少し迷いましたが、結局38,000円で購入しました。

 帰り道、その重さに腕が悲鳴を上げましたが、家で根付を並べてみると、ぴったり収まる姿に思わずニヤリ。
奥さんには「この箱の下に敷く小さい座布団、お願いできる?」と頼んでみました。彼女は「また凄いの買ってきたのね」と笑いながら、布地を選び始めてくれました。でも、家にある布ではどうもしっくりこない。色も質感も、箱の雰囲気に合わない。

 結局、翌日ふたりで手芸店へ。

棚に並ぶ布地を一枚一枚めくりながら、「これだとちょっと派手すぎるね」「こっちは地味すぎるかも」と、あれこれ言い合いながら選ぶ時間もまた楽しい。最終的に選んだのは、渋めの緑色の縮緬。光の加減で表情が変わる、あの独特のシボが、根付の舞台としてふさわしい気がしたのです。



 

 ところが、ここで問題発生。箱の仕切りは全部で144個。つまり、小さい座布団も144枚必要。奥さんは「えっ、ひとつじゃなくて…144個?」と絶句。私も「まあ、そんなにあるとは思わなかったけど…」と苦笑い。手芸なんてできないので、頑張ってくれ!!!!と応援だけします。

 それでも、最初の数枚は楽しそうに縫ってくれていました。だんだんと「これ、いつ終わるの?」という空気が漂い始め、何日もかかることになってしまいました。後で、なにかお礼の品を買ってあげないとヤバイかな。(笑)

 アクセサリー入れだったか、ボタン入れだったかはさておき、今では立派な根付入れ。手芸用品入れから見事にチェンジして、格が上がった雰囲気に仕上がりました。ここに小さな根付達をしまいこみ、物語が詰まっているように充実させていきたい。これから僕のコレクションボックスとして、大活躍してほしいものです。