海外オークションには魔物が住む?~ZACKEで跳ねた根付とコレクターの心得♪♪ | 根付道<Netsuke Road>

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象牙の虎の根付、オークション出品

 海外オークションの結果が出ると、ついソワソワしてしまうのは根付好きの性でしょうか。ちょうど ZACKE AUCTION の結果が公開されましたので、ブログで書いて気になっていたところを紹介していきたいと思います。

 僕のブログを読んでくださっている方ならご存じの通り、根付は海外で非常に人気の高いオークションアイテムです。
最近読み始めた方や、根付に興味を持ち始めた方は、今回の記事で改めて “海外で根付は高額で取引されるジャンルなんだな” と認識していただければと思います。
……まあ、認識しなくても日常生活には全く支障ありませんけどね(笑)

■ ZACKE AUCTION 2026春:

落札率の高さが示す「不動の人気」
 今回のZACKEも、落札率が非常に高く、海外での根付人気の強さを改めて感じさせる内容でした。
その中から、僕のブログで紹介したいくつかの注目の品をピックアップして紹介していきます。

■ ① 立川流の木刀 ― 約100万円の“最上級モデル”

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根付販売 根付 骨董市 立川流 木刀 | 根付道<Netsuke Road>
立川流 木刀 根付 龍頭彫刻
前回の記事で紹介した、あの 立川流の木刀 です。
落札価格は 4,680ユーロ。
現在のレートは1ユーロ=184円前後ですが、実際には手数料などを含めると 190円換算 が妥当でしょう。

つまり、約100万円!!

木刀としては最上級モデルです。
中学生の修学旅行で買ってしまう木刀(約1,000円)と比べると、価値の差が天と地ほどあります。(笑)こんな木刀、いったい誰が買ったんでしょうね。気になります、、、
木刀や根付が並ぶ店の商品陳列
 

■ ② 辻の鉄拐仙人 ― 無銘でも約270万円の強さ

木製鉄拐仙人根付、約270万円で落札
こちらの記事で少し登場した辻の鉄拐仙人。

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根付販売 根付 骨董市 鉄拐仙人 | 根付道<Netsuke Road>

落札価格は 14,300ユーロ(約270万円)。

辻の鉄拐仙人は毎回人気が高く、今回も例外ではありませんでした。
無銘ではありましたが、

造形が辻の特徴をよく捉えていたこと
状態が非常に良かったこと

もし 辻の銘 が入っていたら、20,000ユーロはしていた ことでしょう。
……僕が出品者だったら、思わず“辻”とマジックで書いてしまいそうです。いや、逆に暴落しそうですが、、、(汗)
鉄拐仙人の木彫り根付

■ ③ 現代根付も健闘 ― 寛玉の馬は驚きの約270万円!

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根付販売 根付 骨董市 現代根付 | 根付道<Netsuke Road>
今回のオークションでも、現代根付は古根付に負けていませんでした。

斎藤美洲「カマキリ」:2,600ユーロ(約50万円)
象牙の根付、立川流木刀を模した細工
東声方「獅子」:4,160ユーロ(約80万円)
東声方「獅子」根付 約80万円
立原寛玉「馬」:14,300ユーロ(約270万円)
木彫り根付 立原寛玉の馬
特に驚いたのは寛玉の馬。
寛玉の馬は数が多いのですが、今回は何か競り合う理由があったのでしょうか。

素材が木だったから?
キンゼイ・コレクションの伝来が評価された?

実は、僕もまったく同じ象牙の馬を一つ持っています。
できれば魔物君には、我が家の馬にも軽く跨っていってほしいものです……などと、つい淡い期待を抱いてしまいます。
魔物の尻馬に乗って調子よく行きたいところですね!!(笑)
 

■ ④ 他にも面白い品が多数
ここで紹介した以外にも、ZACKEには魅力的な根付が多数出品されています。
興味のある方は、ぜひチェックしてみてください。

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Fine Netsuke & Sagemono

 

■ ⑤ 最後に

 最後に少しだけ、僕のコレクター目線で見た最近の海外オークションの話をしておきます。

 海外オークションには魅力的な根付が数多く出品されていますが、日本在住のコレクターがここで落札することは、正直あまりおすすめできません。  
オーストリアや欧州に住んでいて職があり、ユーロで収入がある方、あるいは富裕層であれば問題ありません。むしろ積極的に活用して、コレクションを充実させていくべきでしょう。

しかし、それ以外の日本在住のコレクターにとっては、

・円安による為替の不利
・送料・保険・手数料の高さ
・業者を通した場合の手数料や消費税の問題
・そして何より、“魔物”が住むオークション特有の熱気

これらが重なり、どうしてもかなりの割高になります。
むしろ 割安になるほうが不思議な構造 と言えるでしょう。
海外オークションは安く買える場所ではなく、非常に高くつく場所 と心得ておけば間違いありません。

もちろん、どうしても欲しい一品が出た時には挑戦する価値はあります。ただ、普段の収集であれば、日本国内の骨董市や信頼できるディーラーの方が、結果的に良い買い物になることが多いと感じています。
古典なら堤物屋さん、川那部さん、神農さん、現代ならグレースさんで購入したほうが、総合的に見て圧倒的に良いでしょう。

海外オークションは、あくまで“特別な舞台”です。
円が80円台でデフレだった20年前とは状況がまったく違います。
魔物に魅せられすぎないよう、上手に距離を取りながら楽しんでいきたいものですね。

長く集めていれば、また意外なところで購入できるチャンスも巡ってくるはずです。

 

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