古典根付の魅力o(^o^)oワォ!~「玉藻の前」もしくは「九尾の狐」♪♪~ | 根付道<Netsuke Road>

根付道<Netsuke Road>

気楽にぶらぶら、根付蒐集の道を歩くブログです。

 

 「玉藻の前」もしくは「九尾の狐」根付、先日、提物屋さんでいくつか購入したうちの1つです。着物姿の女性の背後に、九つに別れた尻尾を持つ狐、手前には逆手に短剣を持つ女性がいます。江戸で活躍した根付師「友親」の銘があることから、江戸中期頃に制作されたものとわかります。

 

「九尾の狐」という妖怪を、漫画やアニメ、ゲームのキャラクターとして知ったという方も多いのではないでしょうか。現代で代表的なものはナルトに封印されていた九喇嘛でしょう。

 

 江戸時代にも九尾の狐関連のお話しは大人気でした。岡田玉山作・画『絵本玉藻譚』や高井蘭山作・蹄斎北馬画『絵本三国妖婦伝』といった読本が広く読まれました。

歌川国芳も九尾の狐を題材に、三国妖狐図絵を描いています。

 

 

 この浮世絵には妲己と書かれていますので、古代中国で絶世の美女に姿を変え、国の為政者たちをたぶらかし、正体がばれた場面でしょう。根付と比べて見ると、女性の髪型や服装が違います。逆手に持った短剣は同じですが、それ以外は微妙に違いますね。

 

 

 豊国の描いた「玉藻の前」と比較すると、かなり一致してきます。

おそらく当時の歌舞伎で演じられていた場面が、浮世絵となり、この根付の元になったのでしょう。

根付の文化的背景を探ると、ますます根付が好きになりますね。