大坂スクール、大原光定の「粟穂に鶉」です。
寺社彫刻や刀装具でも出てくる図ですので、骨董に慣れている人はお馴染みでしょう。根付にも沢山彫られていてますが、代表的な作品となると、この光定の根付が挙げられます。
光定は、はっきりした資料は残っていませんが作風や姓名から光廣の弟子というのが通説となっています。その彫技は、師匠である光廣の技量と同等で多くの作品を残しています。
この鶉も光定の彫技がたっぷりと入っている作品です。
特に「羽根彫り」が凄い!!!点彫りをして羽を表現しているのですが、この羽1枚はなんと1㎜です。羽を形なす線彫りは、1ミクロン!!!!
さらにその1つ1つをよく見てみると、元が太くて、先に行くと細くなっています。最初に力を入れて、スッと力を抜く、これを繰り替えして1㎜の羽にして全体に繋いでいく。すべて一発勝負で、やり直しは出来ません。どれだけの集中力が必要か、、、
写真では大きく見えますが、全体の実物は三㎝しかありません。実物手に取ると、その驚異の技が見えてきます。
おそるべし、大原光定、、、
僕が尊敬する根付師の1人ですね。
この粟穂に鶉の意匠については、提物屋の吉田さんが詳しく解説している本があります。目の眼、2009年4月号です。
ネットの古本屋で1000円程度で入手できますので、興味のある方はどうぞ!!
↓
粟穂に鶉は日本でも古くから書画工芸に広く見られる意匠である。
・・・・・・「粟穂に鶉」は本来単なる秋の景色の図ではない。
中国語の読みの場合なので、日本ではあまり知られていないが、
「粟」が実りの象徴である「穂」であることが重要なポイントになる。
「穂」の音「SUI」は中国語で同音の「歳」と重なり、また「鶉」は
正式には鵪鶉「anchun」でやはり同音の「平安」と重なり、つまり
両方で「1年の平安」を意味するのである。だから2匹の鶉が2つの
粟穂と描かれていたら「年々平安」になる。・・・・・・ (文中略)》





