静かに見える日本のある都市で、連続メガネ襲撃事件が起こった。
奈々氏「あれは、ある昼下がりの事だったわ、
目が疲れたのでメガネを外して、テーブルの上に置いて、
雑誌を読んでくつろいでいたのよ。
しばらくして、メガネが無い事に気付いて、
笑っている次女に近付いたの。
…手にはコサックダンスのようになったメガネがあって、
驚いたわよ!
恐る恐る掛けてみると、信じられる?
まるでダリの絵を見ているように世界が歪んで見えたのよ!」
奈々氏「メガネがどうなったかって?捨てられると思うの?
メガネが幾らかかるかあなたには分かるかしら?
そのメガネは金槌で叩いて、なんとか補正したわ。
もちろんまっすぐではなかったけどね。
ある日、旦那と話し込んでいたのよ。
そこで旦那が言ったの、あれ?次女はどこ?って。
すると寝室から音がしたの!私、嫌な予感がしたわ。
さっきまで傍にいた次女が消えていなくなっているじゃない!
急いで寝室に向かって、次女の手を見ると、
メガネが知恵の輪になっていたのよ!
アンビリーバブル!」
奈々氏「え?メガネはどうなったかしらって?
捨てたわよ、勿体なかったけど。
どうやって使えるのかあなたには分かるのかしら?
それからメガネを購入して、二代目って呼ぶわよ、
二代目はそうね、あの時の自分を心底恨むわ…
ちょっとうっかり昼寝をしてしまったのよ。
長女が起こった事を後で教えてくれたんだけど、
次女がそれを持つなりグイッ。
あの子もしかしたら超能力の持ち主じゃないかしら。
ちょっと捻っただけで柄が取れたらしいの。
ちょっと捻っただけでね。
それを知らない私は、起きてからそのメガネを掛けちゃったのよ!
もうあの時の驚きったら!枠が片方無いってああいうのを言うのね。
ファッキン!」
奈々氏「いくら私でも、あのメガネを見給え、これが片翼の天使なのだよ、
なんて言いながら掛けられるはずもないわ!
仕方なく更にメガネを買ったわ。三代目って呼ぶわよ、
私もいつまでもバカにされたくはないわ、
相手は子供だもの、手の届かないところに三代目を置くようにしたのよ。
ワオー!最初からそうすればよかったのよ!
でも次女の方が学習能力があったの…
大きさの違う箱を並べて階段を作るなんて、
一体誰に予想できたっていうの?
やられたわ。
オーマイガッ!」
奈々氏「それからは、もうなんていうか、
メガネ屋に並んでいるメガネに目を光らせるくらいで
次女はメガネを壊さなくなったのよ。
一連の事件が一歳から二歳にかけての事で、
あの時は、てっきり
次女がメガネを憎んでいるのかしらって私心配していたの。
でも違ったのね。
あれから、
雑誌を読む時に、
好みの男の人はどれ?って娘達に聞いているうちに気が付いたの。
次女「この人かっこいい(そこにはメガネ男子)」
次女「この人すてき(そこにはメガネ男子)」
次女「この人いけめん(そこにはメガネ男子)」
次女はメガネ男子萌えだったの!
あれは憎しみじゃなかった、愛情の裏返しだったのよ!」
そう語り終えると奈々氏はメガネをかけた。
四代目メガネである。


