南極海での捕鯨を巡り、日本が国際司法裁判所(ICJ)でオーストラリアに訴えられた裁判が、
16日に日本側最終弁論で主要な手続きを終えたようだ。

日本にとってはICJで争う初の訴訟。
判決は通常4~8か月後にでる。上訴はできない。

朝日新聞によると、
「商業目的で、殺さなくてもいい鯨を捕り続けている」と非難してきたオーストラリアに対し、
日本は調査目的の捕鯨に合法性があると主張した。

日本側代理人の鶴岡公二外務審議官は法廷で「日本の捕鯨は科学的知識を得る目的だ」と改めて主張。
オーストラリアの訴えが、そもそもICJで扱われる問題ではないとして却下するか、オーストラリア側の主張を退けるかのいずれかを求めた。

その一方で、来年から国際捕鯨委員会(IWC)で南極海の調査捕鯨の見直し議論が始まることにも触れ、
「必要ならば調査捕鯨の計画を修正する用意がある」と説明。

日本はこれまでの口頭弁論で、科学研究目的のため限定的な捕鯨を認めた「国際捕鯨取締条約」の条文をもとに、年数百頭捕鯨の正当化を主張。

一方でオーストラリアは、「実際は肉を売るための商業捕鯨で、科学的根拠はない」と非難。

日本は「鯨資源の保護のために必要で、殺さないと取れないデータもある。科学的成果も上げている」「科学には多様な意見があり、一つに定義できない」と反論。

もし日本に不利な判決が出ても、「北太平洋の捕鯨は裁判の対象外」という。
ただ、内容によっては捕獲量を減らさざる得ず、捕鯨の継続が難しくなる可能性はある。

オーストラリアは、不利な判決でも、日本に捕鯨禁止を求め続ける意向を示している。

裁判は2010年5月31日にオーストラリアが日本を訴えることにより始まった。
国際司法裁判所は2010年7月13日付で、オーストラリアに対し2011年5月9日までに主張を記した書面を提出するよう、日本に対し2012年3月9日までに反論を記した書面を提出するようそれぞれ命令。
オーストラリア政府は2012年3月10日に、日本からの反論を既に受け取っていたことを明らかにしている。
いずれの書面も、口頭弁論の日までは非公開。
両者の書面が提出されたことで、裁判所は双方への手続きの命令を行うこととなった。

2012年11月20日、国際司法裁判所規程第63条を援用し、
国際捕鯨取締条約の解釈に利害関係のある第三国としてニュージーランドが裁判所に訴訟参加を求めた。

書面手続きの後、今年6月下旬にオーストラリア側から口頭弁論を始め、双方が主張を交互に展開した。

国際捕鯨委員会(加盟国82カ国)の内、捕鯨推進国は34カ国あり、
伝統的文化を持ち食糧として捕鯨をしている国々には、ロシア、日本、ノルウェー、アイスランド、フェロー諸島(デンマーク自治領)、カナダなどが挙げられる。
未決定(中立)国は中華人民共和国など3カ国存在する。
アメリカ合衆国は、国内少数民族の先住民生存捕鯨は是認しているが商業捕鯨には反対しており、
そのように国内に捕鯨推進派・捕鯨反対派の両者を抱える国も珍しくない。
一方で捕鯨国のカナダは、国際捕鯨委員会を脱退している。

捕鯨反対国には、商業鯨油目的の捕鯨を行っていた元捕鯨国のオーストラリア・フランス・スペインなどのEU加盟諸国、ラテンアメリカ諸国(反捕鯨の立場を鮮明にしているアルゼンチンやブラジルなどが主導するかたちで、他のラテンアメリカ諸国も反捕鯨の立場で足並みをそろえている)。
ほかニュージーランド、インド等が中心となっており、これに与するNGOも多い。

いろいろとそれぞれの国の思惑を(軽く)チェックしてみると、
それぞれ国境を越えた環境・経済・民族・領海・文化・宗教などの問題がややこしく内包している。
それだけにそれぞれの考え方の違いが露骨で、時として各々不寛容な論調に陥りやすいのであろう。
それだけに前進を求めても堂々巡り。どう進めていけばいいのか...

また、捕鯨反対派のなかには、クジラの巨大な脳容積や、音波によって同族間の緊密なコミュニケーションをとっているらしいこと、ヒトと同様の哺乳類である事を挙げて、
「知能が高い動物を食べるのは残酷である」と食のタブーとする意見がある。

この辺りはイデオロギーの問題になるし、それじゃ知能が低い動物はいいのか?といった論争にもなってしまう。

私は、鯨を食べるということを(味覚的に)好まないので、ピンとこないことも多々ある。
ただそれぞれの国家間の歴史的文化の相違ということがあくまで基本にあり、
それを度外視しての訴訟になるなら、双方歩みよることはできないのであろう。
やはり妥協することも大切だろうし、元々は捕鯨国であったオーストラリアからの強硬な姿勢には少し疑問も感じるが、日本もやみくもに、日本はそういうものなんだ!という主張は違うとも思う。

ただヨーロッパを中心とした世界の主流が捕鯨反対の傾向にある。
それだけに、もう捕鯨を主張することは新しい世界の流れではないのかなぁ~
とはいっても国際司法裁判所で日本が訴えられているわけである。
それだけにその対応に注目をしなければいけないのでは...。
判決の結果はいかに??