エジプトのムバラク大統領退陣を求めるデモは29日も各地で続き、
北部アレクサンドリアでは少なくとも31人の死者が報告されました。
首都カイロでは商店などの略奪が続発しました。

国営ナイルテレビはデモによる死者が少なくとも38人に上ったと伝えましたが、この数字にアレクサンドリアでの死者が含まれているかどうかは不明。
カイロでは内務省ビル前で警官隊がデモ隊に向けて発砲し、現地の医師によると5人以上の死者が出た模様。

政府は警官隊に代わり、市民によるデモへの対応としては数十年ぶりに軍を出動させています。
またデモは政府が外出禁止令を16時から20時に拡大された後も続き、
カイロ中心部のタハリール広場では5万人以上が集まり大統領の辞任を要求。
その結果、数百人規模のデモ隊が戦車に取り囲まれました。

とはいいながらも、カイロやアレキサンドリアなどでは、これまでデモの規制に当たっていた制服警官の姿がほとんど見られなくなっているようです。
デモ隊との衝突を回避するために、一部の地域から警官が撤収したとの見方もあるようです。
事実上の無法状態に陥ったカイロでは、ショッピングセンターや無人の警察署を狙った略奪行為が相次ぎました。
一部の市民は、棒や包丁などを手に自衛態勢を取っています。
カイロ近郊の刑務所から受刑囚約1000人が脱走したとの情報もあります。

軍は政府関係施設などの警備に当たっているものの、犯罪防止やデモの制圧には、ほとんど関与していない模様です。

$KAMI's Radio Days

28日には多くの地域でインターネットや携帯電話などが通じなくなっていたが、29日午前には復旧したとみられます。
インターネットが再開されれば、Facebookなどを通じた呼びかけでさらにデモの勢いが増すことも想像されます。

ナイルテレビによると、ムバラク大統領は29日、内閣が正式に総辞職したと発表。
9月の大統領選に向けた事実上の後継者としてアハメド・シャフィク前民間航空相が首相に任命され、組閣を命じられました。
また、新設された副大統領のポストにオマル・スレイマン情報長官が任命されました。
1981年の大統領就任以来、ムバラク大統領が副大統領を置くのは初めてです。

イギリスのキャメロン首相、フランスのサルコジ大統領、ドイツのメルケル首相は、エジプト政府に暴力の自制と自由、公正な選挙の実施を呼び掛ける共同声明を出しました。
アメリカ・ホワイトハウスによると、オバマ大統領は、国家安全保障チームと会合を開いて対応を協議しました。

デモは国外在住のエジプト人や活動家らにも波及し、イランの首都テヘランではエジプト利益代表部の前に学生らが集結しました。
ロンドンでは200~300人、イエメンの首都サナアでは100人前後が、それぞれエジプト大使館前でデモを展開しました。

アラブ諸国で起きている暴動の発端といわれるチュニジア政変で、ベンアリ前大統領はデモ拡大に対し閣僚更迭で生き残りを図りましたが、結局は国外亡命に追い込まれました。
インターネットによりエジプトにも波及。各国で緊迫の状態はどんどん増し親ています。

日本でもエジプト人留学生らが、東京都目黒区のエジプト大使館前でデモを行い、ムバラク大統領の退陣を求めました。

デモの参加者は約100人で大阪、愛知などからも集結。
「独裁者ムバラクはエジプトを出て行け」「われわれは政権交代を求めている」などと英語で記したプラカードを掲げ、「ゴー、アウト、ムバラク」とシュプレヒコールを繰り返しました。

また、JTBなどの大手旅行会社はエジプトへのパッケージツアーを中止することを決めました。
これは外務省が29日にエジプトへの渡航延期を勧告する「危険情報」を出したのに伴う措置です。

CNNやUstreamまたtwitterやFacebookを駆使して報道をチエックし、この現状を注目したいと思います。