誰もが知っているジョン・レノン。
彼が死んだのが1980年の12月8日。当時深夜ラジオに夢中になっていた私は、オールナイトニッポンが特別編成になったのを記憶しています。たくさんの著名人(ミュージシャン)が電話で思いを伝えていました。
何か分からないけれど、ROCKにヤラレていた私は、どうしたらいいかわからない思いだったように思います。
彼は、その時40歳。そして彼が誕生しhたのが1940年の10月9日。
つまり、今年のこのシーズンは、ジョン・レノン生誕70年。没後30年。ということになるんですね。
そこで、現在最新ベスト・アルバム『Power To The People The Hits』を聴きながらこれを書いています。
天才アーティストのジョン・レノンが、実は一人の平和主義者という人物像にスポットを当てて表現されたドキュメンタリー映画『PEACE BED アメリカvsジョン・レノン』を観ました。
戦争をそして暴力を憎んで、本気で巨大なアメリカに闘いを挑んでいったジョン・レノンがどのようにその闘いに身を投じていったかが、実に生々しく伝わってくる内容でした。
彼はアメリカが行ったベトナム戦争に対して、ビートルズとしての会見の時にでも批判的な発言をすでに行い始めるのです。「それが現実なのに黙っていられるか!」
そして、前衛芸術家のオノ・ヨーコとの出会いが彼を大きく変えていきます。
そんな彼をマスコミは「日本の魔女がジョンを狂気におとしいれた・・・」と。
しかし、そんなマスコミに自らを前衛左翼ではなくロックンロール左翼と返します。
自分は革命的アーティストであるから、平和的な革命に賛同すると・・・語り、ヨーコとのハネムーンでついに有名なベッド・インで戦争への抗議を続けます。「HAIR PEACE BED PEACE」「戦争をする代わりにベッドで過ごそう。髪を伸ばそう・・・」
約5万人の兵隊が命を落とすこととなったこのベトナム戦争。この戦いで、アメリカも2つに分断されることになります。そんな中でもジョンは音楽で世界とのコミュニケーションをとろうとします。
69年には各地で市民による平和行進が行われ、11月には100万人を集める集会が行われました。
そしてそこで市民が高らかに歌いあげたのが、”Give Peace A Chance"
それに感銘を受けたジョンは、「WAR IS OVER! IF YOU WANT IT」と書かれた意見看板を全世界の街中に立てかけます。
そんな折に、ニクソン大統領と共に動く強権派のFBIのフーバー長官は、国の法律から外れる者は、すべて捜査対象として、強引な態度で向かい相手を崩壊させるという動きに出ることとなります。彼は「アメリカの民主主義の大義を守る・・・」とまで言いました。
そんなジョンが大国アメリカから敵と目をつけられる決定的なことは、反戦活動家のジェリー・ルービンやアビー・ホフマン(ウッドストックでザ・フーのライヴを中断させた男です)との交流が始まったことからです。
彼らはそんなジョンを一つの道具にしたとまで言う人もいます。たしかにパブリックに対して、ジョン・レノンはあまりにも有名すぎるわけですから・・・そしてさらにブラックパンサー党の黒人活動家ボビー・シールとの交流と、こういったことから確実に国家の敵とみなされていくわけです。
そして71年に行われたホワイトパンサー党党首でベトナム戦争反戦活動家で反体制派詩人のジョン・シンクレアの収監に関する抗議の意味でおこなわれたその名も”ジョン・シンクレア支援コンサート”を主催し、全米で12時間もの生中継を行いました。そしてそこでジョンは「ジョン・シンクレア」という曲を披露します。
そしてさらに飛躍していくのは、72年の大統領選に向けて行われる全国大会へ反戦活動家と共にツアーを組むということを発表し、大会会場の前でコンサートを行うと言いだしたのです。
それにはさすがに政府も睨みをきかせ、阻止するためにジョン・レノンに国外退去命令を出します。
そして・・・ここからまたジョン・レノンの闘いが始まります・・・
とストーリーはこれくらいにしますが、ジョン・レノンを斜めから見るとかそういった余計なものは除外して、
この映画にはたくさんの当時の関係者や政府側、そして反戦運動側のそれぞれの立場にいた人々の生の声も聞くことができて、それがさらに解説を加えて、平和運動家ジョン・レノンの人となりをリアルに知ることができます。
もちろんこの映画は自ら出演もしていますが、オノ・ヨーコが監修をして、これまで世に出なかった映像やエピソードも観ることができます。それをデヴィッド・リーフとジョン・シャインフィルドが製作、監督、脚本で見事に演出してくれています。
といっている内に私の携帯CDプレイヤーからは、ちょうどアルバム『Power To The People The Hits』に収録のラスト曲「Give Peace A Chance」が流れ・・・
そして拍手喝采で終わろうとしていました。
ということでこれくらいにしておきますが、平和は誰もが望むはずが、こんなにも闘うことでしか得ることができないのか?しかも自らの命と引き換えにと・・・沈痛なる思いで、この映画を私たちの置かれている今の状況と照らし合わせて考えながら観ていました。
今朝もNHKでは国会中継が行われ、参議院予算委員会が行われていました。そこに浮かぶ偽善的な色合いは、なんかさらに未来への私たちの平和を託すにはあまりにも荷が重そうな諸先生方たちばかりで・・・残念に思えたりします。
音楽でどこまでそれが変えれるか、また私たちは発言することでないかを変えることができるのか・・・
ジョンの言う「気持ちは変わらないし、思ったことをいう・・・」という姿勢はしっかりと実行していきたいと思えるのです。
とはいうものの・・・結局は、音楽は尊いもので、それをいつまでも愛し続けていたい・・・大げさなことでなく、それを深く思えることがジョンの偉大さなのかもなぁ~なんて思ったりしました。
それでいいのでしょう・・・ぜひこの映画観てみて下さい。