現在、京都で行われています大七回・京都映画祭。

毎日、本当に印象的で素敵なセレクションで映画を体感することができますが、

今回のテーマは「戦国と幕末のヒーローたち~時代劇が描いた歴史~」

本当に京都で撮影された名作、問題作って本当にたくさんあるんだわぁ。


そんな中でも、私の人生を変えた映画集団ATG。

その中でも黒木和雄監督作品の映画『竜馬暗殺』

1974年8月3日公開ということもあり、私は当時は10歳。

もうすでに映画館に通っていたものの、ATG映画に目を向けるといった年齢でもないですね。


それで、大学生くらいの時に、ビデオで観たんです。この映画・・・

もうぶっ飛びました!本当にヤバくて暗くした一人の部屋で観たもんで、

観終わった後は・・・記憶がありません。


そんな人生に影響を与えた映画を、その舞台の京都でしかも祇園会館で観れるなんて・・・

もうたまらんねん!



Kami-Kaze Times!=僕らの音楽解放区

坂本竜馬が暗殺されるまでの三日間。

慶応3年(1867年)11月13日。竜馬は雨の中で密偵や刺客から逃れるために近江屋の土蔵で身を隠しているのですが、隣の部屋にいる幡というエロい女性のことが気になる。原田芳雄の演じる竜馬は、近視でのぞきが得意。ずっとその隣の部屋をのぞいてはしまいにはたまらなくなって忍び込もうとする。

そして乱痴気騒ぎ。そこで、幡には、新撰組の隊士が通っていることを知る。そしてまた土蔵の中で覗きながらの日常が・・・そこに幡の弟の右太がやってきます。

彼を見て竜馬は「お前、誰かに似てるなぁ~・・・そうや以蔵じゃぁ~・・・」ということで岡田以蔵なんでしょうね。その役が松田優作ですよ。痺れるでしょう?ちょうどドラマ『太陽にほえろ』の後くらいの頃の優作ですもん・・・

この後は、竜馬を殺しにやってくるはずの中岡慎太郎が絡んできます。イメージでは、仲良し共闘のイメージの竜馬と慎太郎。ところがここでは幼馴染で敵役になっています。しかもその慎太郎の役は、石橋蓮司。あかんわぁ~このアングラ感!鼻血出ますわ~。この3人が白塗り、女装してええじゃないかの行列に入って行きます。

もう大騒ぎです。危ないでしょう??

ま~ストーリーはここまでくらいにしておきますかね。


その他、近江屋の娘の妙は桃井かおり。幡は日活ポルノの人気女優、中川梨絵。その他、どっきりカメラでお馴染み野呂圭介。そしてケーナを作らせたら日本一平泉征。そして石井愃一など舞台出身の名脇役がしっかりと地味ながら締めていく・・・


モノクロの映像がとてつもないエネルギーを見せて、スクリーン真正面から私の魂にメッセージをぶつけてくるのです。


そしてなんと!この京都映画祭では、この映画の公開の後で、原田芳雄さんのトークショウが行われました。

現在70歳の原田さん。もう~ほんまにカッコよくて、彼の時代と向き合ったしっかりとした生き方、もっといったら時代を巧く受け止めて自由に過ごしているんだという、自身に満ち溢れた人間を前にして感動。

それからは、聞き落とすことないように真剣に聞き入りました。


「あの映画のロケセットは、祖師谷大蔵の醤油屋の蔵なんですね。・・・いいロケセットの中に入ると受けるインスパイヤーがあるんです。それが見つかるということが幸運の分かれ目ですよね・・・」

それから蔵の上でのシーンは京都で、そして最後の殺されたシーンは、東京の松竹撮影所のスタジオだったそうです。

それをもしかしたらドキメンタリーなんではないかと思われるようなモノクロの鮮烈な映像で撮影したのが田村正毅さん。彼は三里塚闘争などのドキユメンタリーを撮影してきた方でその辺の技術と感性がこの映画の印象いに見事に現われているのです。全編にドキドキが続きました。


幕末に盛り上がったええじゃないかをあの70年代初期の学生運動の内ゲバ闘争とオーバーラップさせ、原田さんも語っていました。

「撮影の間は、これからの日本はどうなるのか、またどうするのかと真剣に考えている仲間たちがいて・・・まるで溶鉱炉の中にいるかのような熱いエネルギーを感じていましたね。・・・だから時代の持っている気分をいっぱい吸収しているというか・・・そういう意味でいうとこの映画は、かなりの野蛮な撮り方だったわけでしょうね・・・」


まぁとにかく本当にすごい映画です。

なによりもあの時代の若いエネルギーが漲っているわけです。

その生々しさをぜひとも感じ取って欲しいんです。ほんまにええ映画です。

そして生きています。

私のイメージの中の坂本竜馬が、本当にそこにいます。

原田芳雄の坂本竜馬は、私にとっての竜馬像の最強リアルなんです。ぜひ観て・・・