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イケオジ先生は見た!

保育ライターが観察した保育園の実情と園児の実態

親の生態を面白そうにチクる子どもたち

 

子どもの「聞いて聞いて病」ともいえる報告癖は、時としてこちらが戸惑うものも多く含まれます。なかでも両親の秘密めいたことを話されると焦る一方です。親の知らないところで、子どもはとんでもないことをチクってるんですよ。

 

 

「昨日ねぇ、ミッキーに会ったんだよ」

「田舎のおじいちゃんちで川遊びしてきたよ」

「明日、おもちゃ買ってもらうんだよ」

 その日、保育園で最初に子どもたちと会うと、必ずこのような報告を受ける。子どもたちはいつでも話したがりであり、聞いてもらいたがりだ。それらの報告を聞きながら「良かったねぇ」「羨ましいなぁ」などと返答をしてあげる。

 だが、誰一人嬉しそうな顔をしてくれない。微笑んだり、得意顔をするのかと思うのだが、表情ひとつ変えない。ただ、報告したいだけなのだ。

 そういう報告なら軽くいなして終わりなのだが、時には家庭内の実情を話してくる子もいる。

 

 一番多いのは両親についての個人情報。

 好き嫌いでトマトを残した子がいるので注意すると、こんな答えが返ってきた。

「パパもトマトが嫌いなんだよ。いつもママに怒られてる」

 大人にも苦手なものがあるのは仕方ない。だが、子どもの前ではそういう面は見せないで欲しいものだ。

 

 聞いてもいないのに、勝手にこんな話をしてくる子も。

「ママは魚がむしれなくて、パパにやってもらってるんだよ」

 よほど面白くて誰かに聞いてもらいたかったのであろう。だが、こちらとしては苦笑いするしかない。そもそも私も魚をきれいに食べられない方だし。

 

 一番聞きたくないのは両親とのエッチなエピソード。

 ある5歳の男の子は、お迎えの混雑の中で、みんなにこういうことを自慢する。

「うちの母ちゃんはオッパイがでかいんだぞー!」

 自慢したい気持ちは分からないではないが、母親はいつも「やめなさい」と顔を真っ赤にして止めている。本当に巨乳なら止めなかったのだろうとも思ったが、そんな問題ではないか。この子の両親は共に小学校の教員。いったい家ではどんなことを言ったりやったりしているのだろうと思ってしまう。

 

 

 しかし、そんなのは序の口。4歳の女の子はこんなことを言ってきた。

「ママはねぇ、お風呂でオシッコするんだよ」

 絶句して、なんと答えたらいいのか困った。風呂場のタイルで、子どもにさせる親がいるのは珍しくない。大人でも、男でたまにする者がいると聞く。しかし、母親とは……。

 その子の母親は可愛らしい顔立ちで、私とは時々雑談をする仲だ。話を聞いた直後は、しばらく顔を直視できなかった。

 その子には「その話を絶対ほかでしてはいけないよ」と言い聞かせたが、果たして守ってくれているかどうか。

 

 5歳の女の子マミちゃんはさらにその上をいった。

 4歳の頃からずっと私のことを好きでいてくれるマミちゃんは、二人きりになるとこっそりといろいろな話をしてくる。楽しい話や取り留めのない話ならいいが、こればかりはヤバかった。

「お風呂でね、いつもパパのオチンチンにオシッコかけてるの」

 さすがに焦った。そしてすかさず……

「そのことは誰にも言っちゃあダメだよ!」

 さすがに笑えないので即座に注意した。こちらの真剣なリアクションにちょっと驚いた様子だったが、このくらい衝撃を与えないとほかでも言いかねないからだ。

 

 

 マミちゃんの両親はとても感じが良く、社交的であり私とも仲がいい。父親がそういうことをさせるようなタイプとは思えない。はたして母親は、父と娘の風呂場での行為を知っているのか? あるいは、両親がそういうプレイをしているのをマミちゃんが見て真似をしているのか? 

 

 家庭のことを詮索する気はないが、ヤバイ話を聞かされるこちらは堪ったものではない。親の顔をまともに見られなくなるし、会話が気まずくなる。この話は私とマミちゃんだけの「ここだけの話」ということで終わらせた。

 その後も私と父親は普通に会話ができているので、マミちゃんが私にチクったことは、父親に話していないのだろう。永久に秘密にして欲しいものだ。

 

 子どもはなんでもかんでも外で話してしまうので、両親は気をつけなければならない。

 男の子は外での出来事を報告するが、女の子は家庭での出来事を報告しがちのように思える。両親は、自分が恥をかかないためにもくれぐれもご用心を。