異質な人を動かせるようになりたい | フィリピンで働くシリアル・アントレプレナーの日記

異質な人を動かせるようになりたい

昨年に引き続き 、今年も大学を休学して1年間レアジョブにフルコミットで働く学生を受け入れている。
大学1年生で休学している若者で、出身高校・大学・学部が僕と同じ。
昨年の彼 はエンジニアだったが、今年の彼は営業をやってもらっている。

そんな彼も、休学してから7ヶ月がたった。
夜、ご飯を一緒に食べながら、いろいろ話を聞いた。
ここ数か月、どんな失敗して、どんな学びがあったのか、
将来の起業につながっている気がするのかを聞いた。

彼に今ビジネスをやるとしたら何で失敗すると思うかを聞いたら、次のように答えてくれた。

「数字の感覚が甘いです」
「最後の詰めも甘いです」
「異質な人を動かしきれる気がしません」

インターンやる前と比べて、問題点が具体的になってきたのは、いい進歩だと思うと伝えた。
そして、起業における自分の役割は何だと思うようになったかを聞いた。

「大きい目標を立ち上げて、みんなをそこに向かせる、そういう役割がしたいです。」
「小さいときは秘密基地つくってみんなを呼んだように。」
「中学生の文化祭で企画を考えたように。」
「それで、いろんなひとに喜んでもらいたいと思います」

「もっというと、異質なひとをもっと動かせるようになりたいです。」
「今まで、ぬるま湯にいたと思います。」
「一緒にいて居心地がよいと思える人たちと、中高すごしてきました。」
「そうでない人たちを動かせるようになりたいです。」
「そういう人と対等に話せ、萎縮せず、適切なコミュニケーションがとれ、動かせるようになりたいです。」
「居心地のよいひとと馬鹿やるのは楽しいです。」
「でも、そうじゃないひとを巻き込んで、秘密基地をつくりたいんです」
「それで人を喜ばせたいんです」
「仲良しだけでやったら、たくさんの人を動かせないです。」
「だから、異質な人を動かせるようになりたいです」

ひとしきり彼の話を聞いたあと、僕は自分の経験を伝えた。

・僕にとって異質な相手はフィリピン人
・レアジョブを始める前に、フィリピン人の知り合いとか一切いなかった
・そんな中でも、なんとか組織をつくり、講師を3000人抱えるまでやってこれた。
・その経験からすると、異質な人を動かすためには、スティーブ・ジョブズのプレゼンのようなパフォーマンスは一切いらない
・七つの習慣とロジックが大事。
・例えば、「理解してから理解される」 文化の違う相手が自分を傷つけたとき、怒るのでもなく悲しむのではなく、なぜそうしたのか知りたくなることが大事。
・ロジックは大事。言語が違っても、カルチャーが違っても、ロジックがあれば理解し合える。
・ロジックと7つの習慣という地味なことを積み重ねて、その結果、「この人は自分のためを考えている」と異質な人に思ってもらえるかどうか。 
・思ってもらえたら、うまくいく。 パフォーマンス上手な人に、短期ではまけても、中長期で勝てるはず。

彼はこう言ってくれた。
「僕にはパフォーマンスは無理だと思ってたんですよね。」
「だから安心しました」

明日、僕の大学時代のバイブル、ロバートハリスの「エグザイルス 」を彼に贈ろうと思う。
僕がベンチャーでのインターン後、海外に目覚めるきっかけとなった本だ。

異質な人に会いたいなら、その最良の手段は海外に行くことだと思う。
社会人になると長期は難しいんで (起業するともっと難しいんで)、
学生の間にぜひ1年とか行ってきてほしいと思う。