こんにちは。坂本迪宇です。

今回は、厚生労働省が発表した10月の実質賃金が2.3%減少したというニュースについて考えてみましょう。


この報告によると、実質賃金の低下は19カ月連続となっています。これは、名目賃金の上昇が物価の上昇に追いついていないことが原因です。物価高による実質賃金の目減りは、家計にとって大きな打撃です。

10月からは2023年度の最低賃金額が適用されていますが、物価上昇率との開きは依然として大きく、実際の購買力は減少しています。物価上昇の主な要因として、持ち家の家賃換算分を除く物価が前年同月比で3%台の上昇を続けていることが挙げられます。

一方で、名目賃金は増えています。現金給与総額は前年同月比で1.5%増加し、基本給にあたる所定内給与も1.4%増加しています。これは、賃上げ効果が一定程度表れていることを示唆しています。

業種別では、情報通信業や金融業・保険業が高い伸びを示していますが、全体としては物価上昇に追いついていないのが現状です。また、正社員とパートタイム労働者との間にも賃金の差が存在します。

物価上昇と賃金上昇のギャップは、私たちの生活に直結する問題です。名目賃金が増えているものの、実質賃金の低下が続いている現状は、国内経済にとって大きな課題と言えるでしょう。特に、家計における生活費の増加は、将来への不安を高めています。

こうした状況を改善するためには、賃金のさらなる上昇や物価の安定化が必要です。また、業種間や雇用形態間の賃金格差の是正も求められるでしょう。国民一人一人の生活の質を保つためにも、政策立案者はこの問題に真剣に取り組む必要があると感じます。