私は、パーソンオブインタレストという、アメリカのドラマが好きです。町中の監視カメラの情報を解析し、これから犯罪に関わってしまう人を予測し、被害の発生を未然に防ぐという、正義の味方のドラマです。
犯罪は一度でも発生すると深い傷跡を残してしまいます。犯罪そのものが発生しない方が良い。その点では事故や災害も同様なのかもしれません。

設備や構築物の破損が元で事故や災害が突然起きることがあります。管理をしっかりすれば防げるのかもしれませんが、全国の設備や構築物は無数に存在します。全てを漏れなく、事故が起きないように管理することは難しいでしょう。

ならば「事故が起きる徴候」がわかる装置が開発できないものか。
・サーモグラフィにような装置で事故リスクを可視化する。
・ガイガーカウンターのようにリスクが高くなるとアラームを発信する。
・魚群探知機のようにリスクが存在する方向、距離を検出する。
そんな装置があれば、「パーソンオブインタレスト」のように悲劇が起きる前に対処することができます。

実際の設備や構築物は、脆性的な破壊を起こす前に、延性的な過程を経て破損することが多い。この延性過程の間に対応すれば事故は未然に防げます。しかし、延性量は変化が小さすぎて検出することが難い。なんとかこの小さな変化を手軽に読み取って潜在リスクをあぶりだす装置を開発できないものか。

夢のような装置かもしれませんが、機械技術者として、いつか実現できればと逡巡し続けています。極論ですが、将来、事故そのものがない世の中になれば・・・と感じる次第です。
(mot)