約一年ぶりの投稿になります。この間、子どもが歩けるようになったり、意味不明な言葉を喋るようになったり、大人の言うことを理解できるようになったりと、いろいろなことができるようになっています。子どもは何を言っているのかよくわかりませんが、自分が好きなキャラクターの名前を言っていることだけは何となくわかります。そんな子どもを見ていて気づいたのですが、言い間違えることがありません。大人はよく間違えるのに、不思議なものです。


話は変わりますが、私は解析技術者として、設計の方向性や改善案等を提案する業務をしています。まだチームとして若く、入社1年目~6年目までのメンバーが中心です。当然、知識も経験も十分ではありません。そのため、必然と、年長者の私が後輩の仕事をチェックすることがよくありますが、高い確率で、何かしらのミスをしているのを見つけます。よくあるのが、材料特性の入力ミスです。弾性率を一桁間違えていたり、SI単位と工学単位が混ざっていたり。たまに、材料を間違って選択しまうこともあります。次によくある間違いは、不適切なモデリングです。メッシュが粗かったり、解法の選択ミスであったりです。


こうしたミスが計算段階で見つかればすぐに修正できますが、設計者に報告後であったり、設計が完了した後に見つかると、その損失は大きなものになります。実際、モデリングが不適切であったため、本来、設計案Aとすべきところが設計案Bのほうが良いという結果を出てしまい、そのまま設計が進んでしまった、ということがありました。


このような状況に危機感を抱き、何とか改善すべく、まずは現状を明らかにするため、計算ミスの件数をカウントしてみました。堂々の1位はやっぱり材料特性のミスで、カウントしたミスの内、27%でした。2位は不適切なモデリングで、24%でした。3位は知識不足による不適切なモデル化、計算結果に対する判断ミス等であり、22%でした。これらミスの内、ポカミスの類が約半数でした。ミスの内容をよく見ていくと、大体、みんな似たようなミスをしていることに気づきました。また、経験が浅い人ほど、材料特性の入力ミスのような単純なミスをしていました。


こうしたミスを減らしたいと思い、チェックリストの作成や計算条件をチェックするツールを自作しました。しかし、これらは活用しなければ意味がありませんし、またこれらがカバーしている内容しかミスを減らせません。そこで、ちょっぴり恥ずかしいけれど、自分のミスをお互いに披露し合う場を設けたり、自分がやってしまったミスを問題にしてメンバーに出題したりするようにして、情報共有と意識の向上を促しました。まだ効果の程は見えていませんが、少しでも効果があるのではないかと期待しています。もし、劇的な効果が見られたら、また報告したいと思います。


(たっつん)