会社組織の中である程度、年齢が進むと技術力とともに大切なこととして、組織やチームの能力をどのように発揮させるか?
 
やり方次第で、その事業が成功するか否かも左右する場合もあります。
 
国際化が進む中、外国人技術者、あるいは女性技術者、ゆとり世代と呼ばれる若手技術者、派遣社員からベテラン社員、家庭事情をもつ技術者や持病をもった方など、会社組織のメンバーには多種多様な人材がいるはずです。
 
ミッションに対して、どのようなメンバー構成にするかは重要ですが、与えられたメンバー構成に対して、その最大のアウトプットを出すにはどうすればよいか?
 
チームリーダーは、ある程度、技術を包括的に知っている必要があるため、技術士を取得している人は、その能力ポテンシャルは高いと思います。
しかしながら、技術を知っているだけではチームリーダーとして務まりません。
 
チームリーダーは、チームの代表者であるとともに、チームを牽引する強いリーダーシップ力がなくてはいけません。
 
近年、多くの会社がこのようなリーダーシップ力のある有能な人材を求めています。
つまり、チームリーダーの総合的な能力が、会社組織にとっていかに重要かということがわかります。
 
リーダーシップのタイプは様々なパターンがありますが、最近の心理学研究において『奉仕的リーダーシップ』をとることで、前向きなチームや企業文化を作れることがわかってきています。(『チームワークの心理学 ~エビデンスに基づいた実践へのヒント~』マイケル・A・ウェスト著 参考)
 
奉仕的リーダーシップとは、リーダーが表舞台に出ないことを好み、チームの懸命な働きは全てチームの手柄にさせるリーダーを言います。

そのチームリーダーの7つの行動は以下の通りです。

1.
倫理的態度をとること
2.
情緒的に癒やされること
3.
チームメンバーを第一に考えること
4.
メンバーの成長や成功を援助すること
5.
勇気づけること
6.
コミュニティの価値を生み出すこと
7.
概念化する能力
 
実は、このタイプは終身雇用制と言われた昔の日本企業によくいた正義感が強く、人情溢れるリーダー像では思います。旧欧米型の成果主義を多くの日本企業が取り入れている中、どのようにすれば組織力・チーム力を向上できるか?
 
私たち技術士は、専門技術のみならず、その技術をどう生かすか(人材に対して、適用分野や範囲に対して)を考え、より良い日本社会と国際競争力のある文化をつくっていく必要があるのではと思います。
 
(TAKE)