私の勤めている会社では、経営、デザイン、広告、人材育成、生産関係の有名、無名のコンサルタントの先生に指導をしていただきます。話の内容には感心したり、ちょっと違うと感じたり様々です。
最近、アパレル業界No1の会社で活躍されている有名なデザイナーの先生が、高機能性、ファッション性をうたい文句に工場の作業着のデザインを一新しました。
プロジェクトを立ち上げ、何年もかけて多くのデザイン案を作り。
社内アンケートまで取っていましたが、内容はいくつかの
デザインからの択一問題でした。(記述式であればいろいろ意見が出たと思うのですが。)

当時、私はこの高機能に対してのリスクを考えてみました。
①吸汗性が良い → 外部からの汚れに対して大丈夫か
②伸縮性の生地で作業が楽 → 強度、耐久性は大丈夫か
③ファッション性が高い → 肉体労働者が着て似合うのか
④高機能な収納 → どのような作業と道具を考えているのか
作業着を変更して現在で半年、結果は
①よごれが広がり易い、目立つ、洗濯しても落ちない(最高のウエス!)
②摩擦で縫い目がほつれやすい。溶接で穴があく、やけどする。
③古い工場でおっさんが着ると似合わない。
(肉体労働者には特にふくらはぎ部が細すぎる。)
④作業中 ポケットの中の物がぼろぼろ落ちる。
(生地が伸縮して物にからまり肝心な時には取り出しできない、おかげでガラケーのアンテナは折れました。)
と社内クレームの続出となりました。
良い所は、素材が柔らかく女性の胸の形にフィット!
おやじがすごく活性化してモチベーションが高まる。
頭の中だけで妄想すると当然の結果でしょう。
改めて 現場現物主義の重要さを肝に銘じる事ができました。
ありがとう、大先生!
(寅壱 いぼる)