去る5月8日付朝刊に、3Dプリンターで作った殺傷能力のある拳銃が摘発され、
大学職員が逮捕されたというニュースが流れました。さらに、5月14日には、京都
大付属病院で、3Dプリンターでシミュレーションを行い、世界で初めての生体肺移
植手術に成功したと発表されました。
 3Dプリンターは、産業革命にも匹敵する変化をもたらす技術であるとの話があり
ます。ダイナマイトや原子力の様に、平和利用で恩恵をもたらすか?悪用して負の効
用をもたらすか?私も、3Dプリンターの大いなる可能性に注目しているひとりです。
 3Dプリンターとは、積層造形技術を用いて立体形状物を製造する装置のこと。数
μ~0.2mmの非常に薄い層を重ねることで造形されます。最近では家電量販店で
も目にすることが出来ます。
 積層造形法を用いれば、旋盤やフライス盤などの従来加工方法では実現できなかっ
た加工も可能となります。例えば、
  ①内部空洞のモノコック構造
  ②ボトルシップやホイッスルなどの入れ子構造
  ③シームレスチェーン
などが製作可能となります。
 社会面から変化をもたらす可能性としては、
  ①パーソナルファブリケーション:大資本による工場から個人工場の時代へ。
  ②修理の時代、大量消費の終焉:同じ製品が大量に作り出される取り替えの時代か
   ら、一品一葉の一生モノへの回帰。取り替えから修理の時代へ。
  ③ものづくりの海外シフト→国内回帰:3Dプリンターさえあれば、安価な労働力
   は不要。
などの大きな社会的変化が現実になるかも知れません。
 未来への可能性としては、
  ①バイオプリンタの出現による人工臓器作成。体内臓器の修復。(手術方法の大き
   な変化)
  ②月や火星に人口建造物をつくる。3Dプリンターさえ月へ送り込めば、レゴリス
   (月の土)を材料として建物をつくることが可能。
などが可能となります。
 もちろん、これらの夢を実現するためには、多くの難題を克服しなければなりません
が。私も、このすばらしい可能性を秘めた3Dプリンターの世界へ飛び込んでみたいと
夢を膨らませています。