こんにちは。40代半ばの技術士(機械部門)です。
私は5年ほど前から機械式時計を使っています。現在使っている腕時計は時刻修正が1週間に1回程度で良いにもかかわらず価格は3万円程度と、私にとってコストパフォーマンスは高いものでした。
しかし7月頃から、この腕時計の動きが悪くなりました、毎日時刻修正が必要なほど遅れたり、ちょっとした間に20分ぐらい遅れたり(多分止まっていた)・・・さすがに実用に耐えなくなり、町の時計屋さんに持込みました。
夏休み前に修理と調整が完了しました。時計屋のご主人からは、昨今の腕時計の「つくり」の変遷といったお話とともに、私の時計の症状と個性について説明がありました。私は、まるでお医者さんから子供の病状を聞く親の気分になりました。こうなると不思議なもので、腕時計に対して、今までに無い愛着がわいてきます。
夏休み中は毎朝、腕時計の動きを確認し、自動巻きではあるものの竜頭を軽く回してゼンマイの巻上げを自分の感覚でチェックし、そしてTVと腕時計の時刻のズレを確認していました。そして今では、このような一連の行動が出勤前の習慣になり、腕時計が正確に時を刻んでいるのを確認すると「ヨシヨシ」と撫でてやりたい気分になります。
機械式腕時計を使い始めた頃は「いつかはグランドセイコー」と、より精度の良い機械式腕時計にあこがれていましたが、今は「この腕時計を末永く可愛がってやろう」という気分で一杯です。そして、こんな感情を持つもの「機械」の面白さだよねと、機械屋の端くれである自分を再認識するきっかけになった今年の夏休みでした。