こんにちは、futoと申します。製造業で機械系の技術者をしています。
仕事は製品の実験や試作・改造の業務を行っています。
様々な部署、他社の技術者と仕事をすることもあります。
このような中で、よく感じるのが、各社の設計のスタイル(?)の違いと
設計者の「ものづくり」とくに加工しかたがあまり分かっていないのでは?
ということです。(もちろん、会社によります)
会社の大小で多少異なりますが、
以下の3つのタイプの設計者(集団)と仕事をする機会がありました。
とにかく現物だけ重視
理論的なことはそこそこで、とにかく早く作ってしまえ!
現物を確認し、何が悪いかは分からないが、その場で図面を修正し直ぐに現物に反映させるタイプ。
何が悪くてそこを削る、寸法を変更したかは分からないが、組み立ての不具合とかは直ぐなおる。
設計図面重視
計算書はそこそこ、図面はしっかり描いてあり、ものも早くできるが、
不具合が起こると(根拠は無いが)対策案がいくつも沸いてくる、改造図も直ぐ出てくる。
当たればよいが、真の要因が何か分からない。
なにがあっても理論重視
とにかく、理論重視、図面は他人に描かせたものを見るだけで、
CADは使ったことがないです!という、
不具合時にものすごい量の測定を行い、とにかく解決に時間がかかる。
時間がかかるが、真の要因ははっきりする。しかし、対策案がなかなかでてこない。
加工の問題ならうちじゃないんで・・・と言われる。ことが多い。
うちのように他の会社と仕事をしたことがない技術者が集まり、
仕事をするとまぁ大変なことが多いのです。
じゃ、どのタイプがよいのか?そしてどうしたらよいのかということでしょうが、
みんな一緒に仕事をしているのだから、よいところを学び、
悪いところを改めたらよいと感じるのですが・・・
まぁ、そこではなく、いいたいのは、どのタイプの設計者も
切断、溶断、溶接、フライス、旋盤とうの加工がどのように行われているか?
何が出来て、何が出来ないかなどが不思議なぐらい知らないことが多いのです。
嘘みたいですが、本当に以下のようなことは本当にあるのです。
このシャフト、今の大きさ(φ35)から0.1小さくなんて精密なこと、出来るんですか?
板厚6x50x50の板は直ぐなのに、7x45x45はやりたく無いと言われました、
なんでそんなに時間がかかるんでしょうか?
この1mの棒を溶接して先端の位置を0.05mmの誤差におさめるのは、
工場で無理だと言われたのですが?
私の関わった中でよく不具合が出るのは、機械加工を行っている部品なのですが、
特にはめあいなどは、公差の上と下でどのぐらい組み立て性が変わるか、シャフトにがたがでるか
とかがピンとこない方がすごく多いのです。
設計したものを実際に組む、加工している現場に足を運ぶ、などは私が設計をしていた時分は
当たり前でしたが、うちの会社でも最近関わった会社でもあまり無いようです。
だらだら書いてしまいましたが、皆さんの会社ではいかがでしょうか?
設計のスタイルは各社でそれぞれでかまいませんが、
どのように加工され、組み立てられるかは知っていいて欲しいものです。
どうして日本のものづくりは強かったのか?
ものづくりで強いはずの日本がなぜ、負けるのか?
我が社を「強い製造業の会社」に・・・と考えています。