こんにちは。46歳の新米技術士です。
『人間到るところ青山あり』という古めかしい言葉は高校生の時に世界史の先生から習った私の好きな言葉です。『人間』は『じんかん』と読みます。『青山』は『せいざん』と読みます。お墓のことです。これは中国の昔の人の言葉で「人は古代から外へ外へと活動の場を広げてきたが、結局その場で骨をうずめることになる。人の命はむなしいものだ」という意味だと教わった記憶があります。その時、遊牧騎馬民族の侵略に怯えながらもけなげに自分達の居住地を広げていった農耕民族の厳しい暮らしを想い、心に残りました。そしてそれ以来、人里離れた山奥にひっそりとたたずんでいる家を見かけるたびにそこに住んでいる人の生涯に想いを馳せ、涙をはらはらと流しイメージ 1ていました。(右の写真のような家です)
 
 ところが最近、自分の記憶が全然違うことに気付きました。どうやらこれは日本の幕末の頃の月性(げっしょう)というお坊さんの言葉で『武士として生まれたからには大望を遂げるために積極的に外に出て活躍すべきである。死に場所はどこにでもある』という意味らしいです。私の記憶とはまず国が違います。時代も新しいです。意味もなにやら物騒です。私の流した涙は一体何だったんでしょうか。なんだかあんぽんたんです。

 ただ、もしかすると今の技術者に必要な教えなのかもしれません。武士ではないのでさすがに青山を築くまでの覚悟は必要無いでしょうが、グローバルに活躍の場を求める気概を持つことは大切だと思います。私自身、去年イギリスへ人生初の海外出張に行き、お金では買えない貴重な経験をたくさん積むことができました。そして『人は積極的に外へ出るべきである』と実感しました。
 巷に「グローバル」という言葉があふれる今日この頃、知っておいても損ではない言葉かもしれません。