震災に円高、ますます過酷さを増しているグローバル競争の中で、日本の
メーカーは勝ち残っていけるのか、不安を感じる今日この頃である。
 
企業の中で、若手技術者たちを見ていると、答えの見えない課題に挑戦する
チャレンジ精神、悩みながら失敗しながらも克服する技術者魂といったものが
失われていっているように思われる。
 
今までの手順に則り、失敗なく製品を開発して行くことを好む若者たちを
見ていると、間違うこと、失敗することを悪とする現在教育の弊害が完全に
浸透していると感じられる。
また、企業の中でも効率化の名のもとに、失敗をさせないという風潮が見られ、
更にその方向性を助長している。
 
過去のベンチマークをもとにした開発であれば、他のアジアの国々でも
同様にできるのであり、コスト高の日本の技術者が過去の踏襲をしていて
勝ち残れる時代は、もはや終わりを告げようとしているのではないだろうか。
 
昔、日常的に行われていたOJT、数々の失敗の中で掴み取ったノウハウや技術、
失敗を叱られた中で育てられた精神力。こういった一見非効率と思われる部分
こそが新規技術の発見や、技術者の成長を生み出してきたのであり、今後の
日本の技術力向上に必要なモノなのではないだろうか。
 
若手技術者たちに言いたい、失敗を恐れるな、人は失敗の中からこそ、多くを
学べるのだから・・・。