先日聴いたラジオの話題から。
 米アップル社の創業者の一人、スティーブ・ジョブズ氏の有名なスピーチに、「Stay hungry, stay foolish.」という言葉があります。この「Stay foolish.」の日本語訳として、多くの国内メディアが「ばかであり続けろ」「愚かなままであれ」等としていますが、これは広義的な訳であり、「やんちゃなままであれ」のような訳がより近い意味になるそうです。ちょっとした言葉の違いですが、誤解を招きかねない前者の訳より、ほとんどの人にとっては後者の方が理解しやすいでしょう。
 似たような事例として、明治時代の札幌農学校(現北海道大学)のウィリアム・スミス・クラーク博士の言葉とされている「Boys, be ambitious.」があります。こちらは「少年よ、大志を抱け。」が有名な訳になりますが、直訳すると「野心的であれ」という意味ですよね。後者の訳の方が、訴えたいことをよく理解できると思います。
 約130年も離れた2つの事例ですが、どちらも外国語を「理解する」ことの大切さを表しています。技術者も日本語だけでは通用しないと言われる時代。この2つの事例は頭の片隅にメモしておいて損はない、かもしれません。