評価の視点
①総合評価方式を導入することにより、工事目的物の品質向上にどのような効果があ
るかを検証。
②総合評価方式の実施にあたって各段階で課題とされている「具体的な運用方法」、
「公正性・透明性の確保」、「手続きの負担」について個別に評価。
評価手法
①工事の品質向上に対する効果について
工事事故の発生率及び工事成績評定を比較するとともに、受発注者に対するアンケ
ートによる受発注者の評価を分析。また、「公共工事の施工体制に関する全国一斉
点検」により、施工体制確認型総合評価方式の効果について分析。
②「具体的な運用方法」、「公正性・透明性の確保」、「手続きの負担」について受発注
者に対するアンケートにより、受発注者の評価を分析。
評価結果
【工事の品質向上に対する効果について】
・価格競争より総合評価方式で発注した工事のほうが工事事故の発生率が低い(価格
競争7.0%、総合評価1.9%)。
・価格競争より総合評価方式で発注した工事のほうが工事成績評定の平均点が高い
(価格競争74.0 点、総合評価78.5 点)。
・技術評価点の得点率が高いほど、工事成績評定の平均点が高い傾向が見られる。
・施工体制確認型総合評価方式を適用した工事については、「建設業法」および「公
共工事の入札及び契約の適性化の促進に関する法律」に定められた事項のうち、改
善すべき事項のあった工事の割合は約29%、その他の工事の場合は約36%と、7
ポイント程度優位であることが確認された。
・受発注者へのアンケート結果によれば、総合評価方式の導入により、不良工事の減
少、技術力を反映した競争の促進や企業技術者の技術力向上等の発現が認められて
いる(期待されている)。