「・・・ どうしたの?エリ。すっごい顔赤いけど・・」
「めちゃくちゃイケメンだったでしょ?」
席に戻るなり、ふたりにそう声をかけられた
私の顔はそんなに赤いのか!
いや、そうでしょう、そうでしょう
だって熱いもん
両手で一生懸命、顔を仰いだ
どうする?
ふたりに・・・
ジンくんと知り合いだってこと言う?
どこまで?
あんなイケメンと知り合いだなんて
すっごい自慢になるけど
でもどこか、内緒にしておきたいような・・・
うう~ん、複雑な心境でいっぱい・・・
「・・ どうかしたの?」
「えっ?あ・・ ううん?」
「イケメン、見つからなかった?」
「いや?見つけた見つけた!ほんとに綺麗なイケメンだった」
「でっしょ~~~?」
「いいよね~、あんなイケメンと合コンできるなんて・・
あー、あそこにいる女の子と付き合っちゃうのかしら?」
「でもさー、そもそもあんなにイケメンなのに、彼女いないなんてことある?」
ふたりの会話を聞きながら
ジンくんのことをどう話そうか考えてたのに
ふと、耳が拾った
ーー あんなにイケメンなのに、彼女いないなんてことある?
「確かに。」
声に出た
「ね?エリもそう思うよね?」
「じゃあ、サクラかなぁ?冷やかし参加?」
「困るよね~、そういうの。」
あはは
なんだろ、私、何意識してたんだろ
ふたりに内緒にすることないじゃん
「あのね?実は・・ 彼、私が大学の時にカテキョしてた時の子で・・」
「「ええええーーーっ!!」」
ふたりが綺麗にハモった
「知り合いだったのっ?エリっ」
「マジかっ!!」
「うん・・ それでね?さっき少しだけ話したんだけど・・・」
「きゃーーっ!!すごいっ」
「いいな~、あんな綺麗なイケメンが知り合いだなんてっ!!」
「それで?もしかして連絡先とかも知ってるの?」
「交換したっ?」
興奮したふたりから矢継ぎ早に質問が・・・
「いやいや、そんなに話、出来なかったんだってば」
「そりゃそうか、さっきの間でしょ?」
「でもすごいよね!どうどう?近くで見てもやっぱりかっこよかった?」
ゴクン
「それでね?・・・あとでこっちに来る、って」
「・・・・」
「・・・・」
私のセリフに ふたりは一瞬だけ固まって
「ええええーーーっ」
「キャーーーッ」
すぐに奇声を発し、周りの席の人たちから非難の視線を浴びた
すみません、すみません、と3人でひたすら謝り
続いて、顔を寄せ、若干 小声気味に作戦会議
「でかした!エリ!!」
「私たちに潤いをありがとー」
「どうする?店かえて、どこかで飲む?」
「ついてくるの、渋ったらお姉さんたちがおごってあげることにしよう」
ふたりの真剣さが笑えるほど面白い
「あ、でも・・」
サラがふと我に返ったかのように呟いた
「気に入った子があの中にいたら、こっちに来るって
もしかして顔だけ出す、って感じなんじゃないの?」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
そうか・・
そうだよね
そこまで考えてなかった
「まぁ・・ それでも、近くで話が出来るだけでもいいって」
「そうよね、あんなイケメン、なかなか会えることないし」
ふたりが自分に言い聞かせているのを見ながらも
私はなかなか自分の中に沸き起こった興奮するテンションを下げることができないでいた
「タツキ。今日は誘ってくれてありがと」
まさか、会えるなんて・・・
思ってもいなかった
ボクが、今までの人生で一番好きになったひと
「え?ジン・・ まさかおまえ、誰か気に入った子、いたのか?」
「ん?」
「珍しいな!どの子だよ、そっと教えろ、ん?」
大学に入って、つきあった彼女も何人かいたが
そのうちの誰とも長く続くことはなかった
飽きっぽいというのか
本気になれないというのか
自分から誰かに告白するということもなかった
だから、別れる、って言われてもそれほどショックを受けることもなかったし
ひきずることもなかった
女性とのつきあいなんて、こんなもんなんだ、って・・
ボクはもう、ずっとこんなふうに生きていくんだろうな
と思っていた
だけど・・・
さっき、あの人を見たとき
あっという間に、あの頃の気持ちが思い起こされてー
ボクの胸がトクンって動いた
それからドクドクドク・・って
必死だった
話しかけて
もっと話したくて
でも、なんて言ったらいいのかわからなくて
あの頃・・・
何度も心の中で呼んでたあの人の名前を
どさくさに紛れた感じで呼び捨てにしてみた
そしたらあの人・・
めちゃくちゃ可愛い顔するんだもん
もしかして、ボクのこと、男として意識してくれた?
「おい、ジン!教えろよ~ 誰だ?」
「ナイショ」
くすっ
「はぁ~?・・まぁいいか。じゃあおまえもこの後の二次会、カラオケ行くんだな?」
「いや。パス」
「なにぃ~?意味がわかんねーよ。なんで?・・あ、まさかふたりで抜ける気?
なんだよ~、もう話、ついてんの?」
「じゃあ、会費は払ったし。あとよろしく」
「わかった。今度教えろよ?・・ったく、どの子だよ・・」
ここにはいないよ、タツキ
ボクはふたたび席をたつと
店内にいるであろうあの人を探すために歩き出す
「え?ジンくん、二次会、行かないの?」
女の子がついてきた
誰だっけ?この子・・・
「ええー、ジンくん行かないんだったら、私も行かない。
ね?ふたりでどこか行かない?」
「悪いけど・・・」
「・・・ 彼女が待ってるんで。」
「ええええーーっ! なにそれっ、彼女いるのに合コン来てたのっ? ひどいっ!!」
「・・・・・・・・・・」
なんとでも言って
やっとボク
恋が出来そうなんだ
つづく・・・
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どうでしょう?どうでしょう?
ちょっとドキドキしてきません?
