From the Netherlands(ヨーロッパトウネン) | その日ばかりの野鳥観察

その日ばかりの野鳥観察

山あり海あり川ありの自然に恵まれた新潟県中越地方で、野鳥を観察しています。
出会った野鳥を、気ままに紹介したいと思います。

野鳥観察では、思わぬ出逢いがあります。 

普段と異なる種との出逢いには、中毒性が…

注意深く観察する事にも面白さを感じます。

今回は、そんな機会に恵まれました。




🇳🇱  🇳🇱  🇳🇱  🇳🇱  🇳🇱




8月3日の事です。

朝、いつもの海岸散策に出かけました。

波打ち際に、数羽のシギ類を見つけます。

1羽のミユビシギと3羽のトウネンでした。

その1羽が、カラフルな装飾を着けています。

 

 

 

標識を兼ねた足環でした。

左がミユビシギで右がトウネンです。

トウネンに計7つの足環を確認しました。

 

金属製の足環には文字が彫ってあります。

何とか解読したかったのですが…

飛び去ってしまいました。

 

 

 

同じ日の夕方、再び訪問してみました。

あのトウネンが気になったからです。

夕陽に染まる浜辺で、再会出来ました。

 

 

 

 

よく見ると、右足の上2つはフラッグです。

行動に支障はないようでしたが…

それにしても、足環を着け過ぎでは?

 

 

 

 

慎重に、進行方向に回り込みます。

座して待つと、近くまで来てくれました。

何十枚と撮影し、文字の解読を試みます。

解読は帰宅後になりました。

 

 

 

 

左足にある金属製のタグを見回します。

何とか以下の3行の単語を拾いました。

 

ARNHEM-VT

HOLLAND

0009E

 

オランダで標識が付けられたようです。

アルンヘム(アーネム)の文字もありました。

こちらもオランダにある街の名前です。


 

 

遥々、欧州から渡ってきたトウネンでした。

…欧州からトウネン?

 

ここで、私の勘違いに気付きました。

トウネンは東南アジアに飛来する種です。

欧州から飛来したこの個体は別の種でした。

よく観察すると、僅かに特徴が異なります。

浜辺では気付く事が出来ませんでした。




トウネンの類似種、ヨーロッパトウネンです。

日本には稀に飛来する旅鳥でした。

トウネンと同様にシベリア等で繁殖します。

よく見ると、背にはV字の白線がありました。

 

 

 

 

足環が無ければ、見過ごしてしまいます。

思いがけずライファーにめぐり逢いました。

足環を確認して良かったです。




足環についてネットで調べた時の事でした。

標識調査をしている組織を見つけました。

山階(やましな)鳥類研究所です。

一応、画像とともに報告しました。


 

 

帰り際、綺麗な夕陽に見送られます。

夕焼けを眺めに人が集まっていました。

皆、無言で黄昏時を過ごします。

静かな凄みがありました。

 




【観察できたシギチ】(順不同)


ミユビシギ 1

トウネン 2

ヨーロッパトウネン 1

イソシギ 2

シロチドリ 4