7月中旬の事です。
天気の良い夕方、浜辺に行きました。
この日は風も波も穏やかです。
浜辺には数人の工事関係者がいました。
花火大会に向けての準備が進んでいます。
河口付近の葦原が重機で蹂躙されました。
キジやオオヨシキリが潜む場所です。
既に巣立っているとは思いますが…
毎年の事とはいえ、気掛かりです。
浜辺には浅い潮溜まりが出来ていました。
遠目に、地面が動いたように見えます。
双眼鏡で確認すると、チドリ達でした。
コチドリ、シロチドリ…
2羽の夏羽のトウネンも見つけました。
距離が50m以上あっても飛んでしまいます。
身を隠す場所もないため、仕方ありません。
砂浜に座り、暫く待ってみました。
チドリ達は内陸の草地に移っています。
そのまま、様子を観察しました。
遠くから、こちらを伺うシロチドリ。
数を数えますが、チマチマと移動します。
7羽以上、居る事だけわかりました。
首元が橙色のチドリも見つけます。
メダイチドリでした。
こちらも複数が飛来しています。
暫くの後、再び潮溜まりに移動しました。
メダイチドリの一群です。
数は5羽でした。
それぞれ順番に水浴びを始めます。
刺激しないよう、伏せて近付きます。
ゆっくりと…、抜き足、差し足、千鳥足。
彼らの様子を観て、限界距離を見定めます。
やはり、警戒はされていました。
毛を繕い、皮脂腺の油を塗っています。
首が柔らかく、どの方向にも向きました。
緊張感を保ちつつ、過ごしています。
皆の水浴びが終わりました。
しばしの静寂の時間が続きます。
さざ波だけが聴こえていました。
最後は、呆気ない幕引きです。
遠くの陸地で重機が動き始めました。
逃げてきたチドリ達の群れに合流します。
併せて、防波堤へ飛び去ってしまいました。
その防波堤にも、数日後には筒が並びます。
市内外の人が楽しみにしている花火大会…
しばらくは、浜辺を人間が占有します。
野鳥には迷惑でしょうけれど。
【観察できたシギチ】(順不同)
メダイチドリ 5
コチドリ 5以上
シロチドリ 7以上
トウネン 2