2月中旬の事です。
通い慣れた自然公園に飽きました。
見慣れぬ野鳥を求めて、市内を巡ります。
松林のある公園を歩いてみました。
例年だと、シメやマヒワに会うはずです。
シロハラやトラツグミも居るかもしれません。
しばらく歩きますが、鳥の影は薄いです。
シジュウカラは居ましたが、木々の中でした。
「空振りかもしれない…」
不安になってきた頃です。
シジュウカラに紛れて、異なる鳥がいました。
ビンズイです。
地元で冬に見るのは初めてかもしれません。
野鳥図鑑には、『松林を好む』とありました。
有り難い観察対象ですが…
早々に木陰に消えてしまいました。
代わりに出てきたのはツグミです。
鳴きもせず、静かに枝に止まっていました。
散歩の方が近付き、逃げ去ります。
ツグミが逃げた先で、動くものを見つけました。
白い腹部と黄色いアイリングが目に留まります。
シロハラ♂でした。
静かに観察をしてみます。
地面に降りて、餌を探し始めました。
引っくり返す程の落ち葉はありません。
細長い松葉の間から、何かを咥えました。
松の実を見つけていたようです。
「ヒー、ヒー、ヒー」
微かな鳴き声が聴こえてきました。
何処から聴こえるのか分かりませんでした。
眼前のシロハラだと気付くのに、遅れます。
小さく嘴を動かしていました。
かなり近くまで接近します。
残り2m程で、こちらに気付いたようでした。
しばらく、お互いに緊張が漂います。
約1分間が経過しました。
シロハラがゆっくりと離れていきます。
最終的に、繁みの中に隠れました。
先のツグミが逃げ込んだ場所です。
そのまま見失ってしまいました。
ツグミの仲間は賑やかな鳴き声のイメージです。
か細い鳴き声だったので、意外でした。
まだまだ知らない事が沢山あります。