「姨」ではなく「尾羽」(オバシギ) | その日ばかりの野鳥観察

その日ばかりの野鳥観察

山あり海あり川ありの自然に恵まれた新潟県中越地方で、野鳥を観察しています。
出会った野鳥を、気ままに紹介したいと思います。

先週末、夕暮れ時に市内の海岸を散策しました。

陽が沈むまでの短い時間でしたが、お目当てはシギチです。

 

 

この日は、一日中良い天気でした。

そのためか、夕方でも浜辺には釣り人も多く、野鳥は少ない印象です。

普段はよく見かけるトウネンなども、何処かに飛び去ってしまったようでした。

 

 

浜辺で動くものと言えば、スナガニくらいでした。

砂を口に含み、餌だけをこし取って食べるため、小さな砂団子を大量に残します。

彼らは、近付くと傍にある穴に逃げ込みますが、遠くから眺めると驚くほどいました。

ちょっと気持ち悪くなるくらいなので、自主規制して数匹だけ撮る事にします。

 

 

 

そんなスナガニ達の様子を見ていた時の事です。

10m程の距離に、1羽のシギが佇んでいました。

全く気付かずに近付いてしまったようです。

刺激しないように、ゆっくりとカメラを向けました。

 

 

 

最初はキアシシギに似ていると思いましたが、様子が異なります。

丸い体格で、動きもどこかノッソリとしていました。

野鳥図鑑でしか見たことがなかったシギ…、オバシギです。

 

 

ふいに、何故かポーズをとってくれました。

 

 

 

その後、こちらを気にするようでもなく、ゆっくりと水辺まで歩いていきます。

浅瀬から、丸い何かを啄んでは食べていました。

 

 

 

どうやら、とても小さな貝を探しているようです。

オバシギは、甲殻類の他、貝類が好物なのだとか。

 

 

 

しばらく観察していると、左前方から釣り人が歩いて来ました。

「飛び立つかも」と、カメラを構えていると期待通りに目の間を横切ってくれます。

夕陽に照らされた翼も、そろった尾羽も綺麗でした。

 

 

 

帰宅後に詳しく調べてみると、オバシギの名前の由来について載っていました。

体型やのそのそとした動きから、姥(うば)や姨(おば)などの老女を連想したとの説が。。。

ただ、和名では「尾羽鷸(オバシギ)」と書くので、「姨鷸(オバシギ)」ではありません。

不思議です。

 

 

オバシギは、私にとって初見の野鳥でした。

短時間でも、鳥見にいくと何かしら発見があります。