昨年3月5日の話になります。
市内の自然公園を散策していた時の事です。
散策路の脇に残る雪の上に、何かが散らばっていました。
遠目には、千切れた段ボールのようです。
近付いて確認すると、野鳥の羽根でした。
どうやら、何かがここで野鳥を捕食したようです。
下嘴と思われる部位も落ちていました。
羽根はとても綺麗に形が保たれていたので、猛禽に襲われたのだと思います。
肉食動物の場合は、羽根が折れていたりするため、区別がつきます。
持ち帰り、『原寸大写真図鑑 羽』で確認してみました。
十円硬貨は大きさの目安です。
左側から、尾羽(1枚)、初列風切(3枚)、次列風切(3枚)、大雨覆(1枚)だと思います。
全体的に褐色で、所々に白い部分が混じっていました。
上の写真だと分かりにくいのですが、羽根の辺縁には橙色も混じる事もあります。
上記の特徴から、この羽根の持ち主を特定できるでしょうか?
昨年は、この羽根を見つけてから、この種を全く見かけなくなってしまいました。
私の好きな野鳥であったため、非常に残念に感じたのを覚えています。
この羽根の持ち主は、トラツグミです。(写真は、先日撮影したものです)
他の野鳥では、なかなか全体を確認出来る程に羽根を拾う機会がありません。
せっかくなので、可能な限り持ち帰り、部位別に並べてみました。
トラツグミの虎模様が、複数の羽根によって形作られているのがよくわかります。
昨冬は、様々な野鳥の羽根を拾う機会に恵まれました。
処理した後に、1年以上経過しているものもありますが…
まだ何種類かの羽根を保管しているため、雪の日などに整理してみたいと考えています。
※注意
落ちている羽根には様々なゴミ・雑菌(鳥インフルエンザetc.)・寄生虫(ダニetc.)が付着している可能性が高いです。ここで紹介した羽根については、所持していたビニール袋などを用いて直接触れる事が少なくなるよう配慮し、帰宅後は以下の処理をしています。
①微温湯でゆすいで汚れを落とす
②中性洗剤(洗濯用洗剤)に1日以上浸した後に洗う
③ドライヤーで乾燥させる
④1日以上自然乾燥させる
また、拾った羽根がトキ等の「国内希少野生動植物種」にあたる場合、拾う事は禁止されていませんが、販売や譲渡などは「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」により禁止され、罰則も定められているそうです。
羽根を拾って楽しむ場合は、以上の点にご注意ください。