パンをめぐる鬼ごっこ(オオバン) | その日ばかりの野鳥観察

その日ばかりの野鳥観察

山あり海あり川ありの自然に恵まれた新潟県中越地方で、野鳥を観察しています。
出会った野鳥を、気ままに紹介したいと思います。

 

 

2月5日、ハクチョウとカモ類が数多く集まる長嶺大池での事です。

数日前から雪が降り続き、周辺の田圃での採餌が困難な状態のようでした。

多くのハクチョウが池に残っています。

私が訪れた時は少し晴れていましたが、朝から雪が降ったり止んだりでした。

野鳥たちは皆、お腹を空かせているようです。

見物客が持ってくる餌(パン)を期待して、池の畔で待っていました。

この後、池が騒がしくなります。

 

 

 

事の発端は、小さな男の子が投げ入れた、パンの塊でした。

食パン1枚を丸々投げ入れてしまったのでしょうか。

ハクチョウが食べるとしても少し大きめのパンの塊を、オオバン達が啄みます。

我先にとパンの塊に群がる野鳥たちは、とても殺気立っていました。

 

 

 

そのうちの1羽が、パンの塊を持って逃走しました。

その後を、すかさず別のオオバンが追います。

ハクチョウも追いかけますが、スピードが足りません。

 

 

 

逃げるオオバンですが、1周回ってハクチョウたちの群れの中に迷い込みました。

気付いたハクチョウたちが取り囲みます。

 

 

 

次々に嘴を突き出すハクチョウを、それでも鮮やかに躱すオオバン。

小回りが利き、機敏な動きでハクチョウを翻弄します。

 

 

 

最後にはマガモに並走されましたが、嘴を大きく開けて、パンの塊を飲み込みます。

途中で千切れたのでしょう、最初に見た時よりも小さな塊になっていました。

こうして、ようやく池は静かになりました。

 

 

 

最も適している餌は、籾米なのだと思います。

精米だと水に沈んでしまいますが、籾米は水に浮くので食べやすいようです。

ただ、農家でもない限りは、なかなか籾米を餌として持ち込めません。

餌をめぐる騒ぎは、この池の名物のようにも思います。