シギチを探して、海岸散策の時の事です。
毎回、ウミネコに出会う事が出来ますが、珍しくもないで普段は脇役です。
ただ、その日はウミネコの様々な姿を目にしました。
海岸に到着と同時に右前方からウミネコが接近してきます。
あわててカメラを準備し、両翼が切れた写真を撮影できました。
このウミネコはそのまま飛び去ってしまいましたが、浜辺には何羽ものウミネコが佇んでいました。
あまり天気は良くなかったのですが、1組だけパラソルを開いて海水浴に興じるカップルがいます。
周囲に集まったウミネコたちは、餌を期待しているのか、強奪を考えているのか。
気の毒ですが、あまり気の休まる海水浴にはならないようです。
そんな中、1羽だけ離れて過ごす個体がいました。
よく見ると左足を怪我しているようです。
黄色い足に一筋の青い痣が見えます。
何らかの理由で負傷したのでしょう。
割と元気そうに歩いていましたが、時折、砂浜に伏せて休んでいました。
怪我にもめげず、逞しく生きているのだと思います。
他に目立つ野鳥もいなかったので、少し離れた海岸に移動し、散策を続けました。
ササゴイ、カワウ、ハシボソガラス、ダイサギ等の他、そこでも数羽のウミネコを見つけました。
釣り人の上空を旋回し、おこぼれを貰おうと画策しているようです。
少し離れた水辺で、1羽のウミネコがアジを咥えていました。
自分で捕まえたのか、釣り人からもらったのかは分かりません。
苦労しながら、時間をかけて丸呑みにしていました。
他の鳥に比べて、ウミネコは餌を千切って食べる姿を見ない気がします。
帰り際、浜辺に打ち上げられた漂流ゴミの中で佇む、ウミネコ若鳥に気付きました。
何時からなのか、とても静かにそこに居ました。
見つけた時点で10mもない距離だったのですが、逃げる気配もありません。
普段のウミネコと様子が違うなと思ったところ、口元に異変を見つけました。
釣り糸が口や首に巻き付いています。
口の中には、サルカンのような金属片も見て取れました。
おそらく、魚とともに釣り針等も飲み込んでしまったのだと思います。
弱っていて飛べないのであれば、針や糸の除去もできるかな思ったのですが、残り3m程で飛び去ってしまいました。
飛ぶだけの元気は残っていたようです。
ただ、あのままだと餌を飲み込むことが難しいため、徐々に弱って死んでしまう気がします。
たまに見かける光景ですが、釣り具やゴミによる被害は痛ましいです。
数日前、yahooニュースで神奈川県の釣りスポットで、巻き付いた釣り糸で命を落とすドバトの紹介がありました。
もちろん、ドバト以外の野鳥も被害にあっているのだと思います。
・・・カラスが被害にあったという話は少ない気がしますが。
釣り人に対しての話だけではないですが、ゴミの投棄は絶対にしてはいけません。
その日、4本の釣り糸を回収しました。
ズボンのポケットに、折りたたんで持ち歩いているビニール袋が役に立ちます。
2本は釣り糸のみでしたが、1本は重りと針が付いており、もう1本には釣り針に小魚の頭もついていました。
偽善かもしれませんが、野鳥撮影の撮影料だと思って、可能な範囲で回収を続けたいです。
余談ですが、その日に回収した釣り糸と小魚の頭を、車内に置き忘れてしまいました。
曇り空とはいえ車内温度が上がるため、ナマモノは腐敗します。
車のドアを開けた際の、あの臭いはしばらく忘れられそうにありません。
せめて、ビニール袋の口を閉じておけばよかったと後悔しています・・・