専門家からの評価はかなり低かったらしい。だけど、どこからどう聴いても、良い曲である。専門家、玄人という奴は時として目が曇ってしまうようだ。耳が聞こえなく成ると言うべきか。「存在に対するボンヤリとした不安」な心持ちを率直に歌った曲だと思う。吉田拓郎の代表曲の一つであり、フォークとしての完成度も高いと、私は思っている。

ユダヤ人の知恵の一つに「全員一致の事案は取りやめる」というものが有る。全員が賛成すると言うことは、全員が間違っている恐れがある、ということらしい。ユダヤ人達が培ってきた生き残るための知恵だったのであろう。全員が好きな曲だってあるわけがない。それが人間というもの。そのような弱い人間を歌ったのが、本曲だと思うのである。