姑息にせっせと移植中 -17ページ目

姑息にせっせと移植中

二分あれば読めるショートショート

「だからあ、今日のランチは猫煮込み
食ったって…」

「何だと!?絶対に許さん!!
教えろ!…どこだ!?
どこにそんなひどい店があるんだ!?」

仕事終わり、俺はすぐさまタクシーを拾い
その店に直行した。

『猫煮込みの店』

なんという事だ!
堂々と看板に掲げていやがる!

ガラガラガラガラ…

俺は力任せに引き戸を開けて店に
乗り込んだ。

「店主だ、店主を出せ!」

「うにゃー♡
いらっしゃいだにゃー。
今日は良いモツが手に入ったんにゃー。」

そっちかーーーーい!!
じゃとりあえずモツ煮ひとつーー!!

まあ、確かに陳建一麻婆豆腐とか
木久蔵ラーメンとかあるけど
猫煮込みは…

♪チリンチリン
「うにゃー、オーダー
モツ煮込み。」

「「ウイ、ムッシュ!」」
「ウイムシュ。」

モツ煮ひとつにシェフ四人
出てきたーーー!!
そんで赤いのカッコつけて
ウイムシュって縮めて言った!!
で、何故かエラはったの
辛そうだーーー!!

何なんだ?何故今更こんな
オワコンを…

「お客さん今度ドラマ決まった
そうだにゃー。」

はうわ!?

料理が出来るまでトークを?
 
駄目だ!断われねえ。
こんなキラキラした目のネコちゃんの
期待裏切れねえ。

「ええ、月曜9時、久々に
恋愛ものの…」

って、何言ってんだ俺!?

畜生!何だこの店
何だこの店ーー!!