見るからに柄の悪いチンピラが
古ぼけたランプを手にして何やら
独り言を言っている。
「へへっ、頼むぜ。
出てこい、魔神よ!」
もくもくもくもく
ボワッ…
「私を呼び出したのはお前か?」
ランプからアニメ映画で見たような
あの魔神が現れた。
「すげー!マジで出てきたよ。
やっぱりこのランプ本物だったんだな!」
喜んで飛び跳ねるチンピラと対照的に
魔神は冷めた目で冷静に呟く。
「…なるほど。聞いていた通りだな。」
「…あ?何か言ったか?」
「いや、こちらの事だ。
気にするな。」
チンピラは興奮した様子でせかすように
「いや、こちらの事だ。
気にするな。」
チンピラは興奮した様子でせかすように
魔神に問いかける。
「なあ、お前はご主人様の願い事をなんでも
みっつ叶えてくれるんだよな?」
「…いかにも。」
「よっしゃ!…じゃまずはカネだ!
一生遊んで暮らせるだけの…」
「ちょっと待て。」
冷静に遮った魔神を
みっつ叶えてくれるんだよな?」
「…いかにも。」
「よっしゃ!…じゃまずはカネだ!
一生遊んで暮らせるだけの…」
「ちょっと待て。」
冷静に遮った魔神を
チンピラは睨みつける。
「あ? お前を呼び出したのは俺だぞ。
ご主人様の命令が聞けないのか?」
「お前の言う通り、私は魔神だ。
主人の命令は絶対に叶える。」
「…なら命令に従え。
カネだ。一生遊んで…」
「待てと言っている。」
魔神は抑揚のない声で答える。
「…こんなケースは珍しいのだが、
「あ? お前を呼び出したのは俺だぞ。
ご主人様の命令が聞けないのか?」
「お前の言う通り、私は魔神だ。
主人の命令は絶対に叶える。」
「…なら命令に従え。
カネだ。一生遊んで…」
「待てと言っている。」
魔神は抑揚のない声で答える。
「…こんなケースは珍しいのだが、
まだ前の主人の願い事が残っている。
それが遂行されない限りは
それが遂行されない限りは
俺はお前の願いを聞けない。」
「シゲルめ…」
「シゲルめ…」
チンピラは苦虫を噛み潰したような
顔で呟く。
「まだ願い事を残してやがったのか。」
「左様。…だが、そのシゲルの願い事を
今すぐここで叶えられるのだが
遂行しても良いか?」
「おおっ!いいね!」
チンピラは小躍りした。
「シゲルは宝くじ7億円と
最高のオンナ手に入れたって喜んでたから
その願いがみっつ目で最後のはずだ。
…よし!とっととやってくれ!」
「わかった。では始めよう。
Щ¤µэяяя… 」
「うっ!?」
魔神が呪文を唱えるとチンピラは
胸を押さえて苦しみ出した。
「…てめえ、何をしやがった?」
「シゲルのみっつ目の願いだ。」
魔神は平然と答える。
「もし自分から無理やりランプを
奪っていくようなものがあれば
そんなひどい人間とはこの先
関わりたくない。自分の未来の為に
…始末して欲しいと。」
「畜生!」
パアン
パアン…
「無駄だ。…そんな拳銃では
私を仕留める事は出来ない。」
ゴキッ…
「うわあああ!!
うわあああ!!」
チンピラの銃を持った右手が
おかしな方向に折れる。
「続きだ。」
「痛え! 痛えよう!!」
魔神はのたうち回るチンピラを
無表情で見下ろして続ける。
「自分は組を抜けるつもりだが
この先もそんな面倒がまた起こるかも
知れない。」
「畜生!…畜生!」
「だからシゲルは もう誰も自分に
手出しするのをためらうような
むごたらしい死に様でそいつを
殺ってくれと。」
ゴキッ…
「うぎゃあああああ!!」
「それが彼のみっつ目の願い事だ。」
「…俺が悪かった。」
チンピラは這いつくばって
左手で魔神の足元を掴んで
懇願する。
「助けてくれ。助けて…」
「先程も言ったが、私は魔神だ。
主人の願い事は…」
ゴキッ…
「うぎゃああああ!!」
「絶対に叶える。」