認知症ケア 信頼関係を作るための話法(オウム返し)

今日は新しい依頼があり、新規患者さんのヒアリングに行ってきました
認知症の方々が共同生活を営むグループホームの居住者です

初めまして、よろしくお願いしますと、名刺を差し出した瞬間から
少し怪訝な顔をされていました、

初めて会う人に対して、不安を覚えている表情です
ヒアリングは、二人で行うことが多いのですが、
今回は施設の人にも立ち会って行うこととしました

知っているスタッフさんが傍らにいてくれることで少し安心してくれたのが
よかったのですが、しっかりと相手の話を聞いてあげていると
次第に心を開いてくれるを感じ、途中からは二人でヒアリングを行うことができました

認知症の方の場合、知らない人や知らない場所に対して強く不安感を感じることが多くあります
不安な気持ちでは、会話をすることもなかなかうまくいかないことが多く、

ヒアリングでも認知症の方の場合、なかなか会話が成り立ちにくいことがあります
例えば
私:体のお加減はいかがですか、つらいところはないですか?
患者:私はあまりよくわからないんです、
などのように、なかなか会話が成り立ちにくいことがあるのです

そんな時に、よく使うのが「オウム返し」という話法です
相手の言葉をそのまま、返してあげることで
私:体のお加減はいかがですか、つらいところはないですか?
患者:私はよくわからないんです
私:そうなんですね、よくわからないんですね。

といった具合に相手の言葉をそのまま返してあげるのです
相手の言葉をそのまま返してあげることは、
相手の言葉を聞いているということが相手に伝わるので

次第に、自分の話を聞いてくれている人と認識してもらうことができるのです
何度か、このような「オウム返し」のやり取りを繰り返していると
少しづつ、心理的な距離感がちかくなってくるのが
表情からくみ取れました。

会話で信頼を得ることができると、治療も受けてもらうことができます
最終的には、握手を交わして、これからよろしくお願いしますと
正式な依頼をいただくことができました。

「オウム返し」の手法は、一般的にはあまり多用しすぎると
会話としては不快感を感じさせてしまうことがありますが
認知症の方の場合、シンプルに関係を作るのに役立ちます

特には初顔合わせで、信頼関係を作りたいときには
非常に効果的なので、ぜひ使ってみてください おすすめです。