認知症高齢者は、無表情でこちらが笑顔で話しかけても、なかなか笑顔で返してくれない
無表情だと思われていますが、実際そうでしょうか?

認知症高齢者の笑顔のリアクションに対して、私の臨床からお話させていただこうと思います。

認知症高齢者は何事においても、反応が遅く、動作も遅いことを理解した上で
コミュニケーションを取らなければなりません

元気な人とのコミュニケーションでは、話しかければすぐに返事が来るし、
笑顔で相手の顔をみたら、微笑み返してくれますが、認知症高齢者はそうはいきません

まず、動作が遅いので
①話しかけても、自分に話しかけられているのに理解するのに時間がかかるし、話しかけられている内容を理解するのにも時間がかかります


②話しかけらえている内容に対して返答しようとしても、

返答する内容を考えるのに時間がかかるし
口から発音しようとしても、同様に時間がかかる

など、高齢者であること、認知症であることから我々が想像できないほど、
様々な動作や判断に時間がかかってしまうのです

私の経験から言うと、認知症高齢者とコミュニケーションを取るときは
まっすぐ顔を見て、ゆっくりと言葉を発し、相手がリアクションするのを
ひたすら待っていると、ほとんどの人は何らかのリアクションを返してくれます、

話しかけても返事がない、笑顔も返してくれないではなくて
リアクションしてくれるまで、私たちが待ち切れていないというのが
実際のところではないでしょうか。

そんなわけで、認知症高齢者とのコミュニケーションは
とにかく、時間がかかることを考慮して、ゆっくり
それこそ、1分ほど目を見つめ続けるくらいの心持で行うといいでしょう。

 

家族であっても、かなり気恥ずかしいことになりますが

ずっと目を見続けていると、話すことができない人であっても

ほとんどの人が笑顔で返してくれます。