リアル「減刑編2に入りましょう。減刑編では、綾辻真理奈は加納りえと比留田雅史を殺害し、明石道夫は事故死、ニセ氷室一聖こと水沼貴雄は生きて正体を明かされました」

渋谷凛「犯人の綾辻真理奈は、このままだと長い懲役刑になりそうですね。それにしても、水沼貴雄には何の罰もないんですか?」

イオリス「詐欺罪も横領罪も死体遺棄・損壊罪も全て公訴時効を過ぎているからな。民事訴訟しかできないぞ」

三船美優「民事訴訟だと、縁もゆかりもない綾辻さんにはどうしようもありませんね


リアル「それでも、綾辻真理奈は金田一の説得で自分のために生きていく決意をすることになりました」

五十嵐響子「長い間、受刑者になるのは大変でしょうね」


リアル「そこで皆さん、仮に氷室一聖が綾辻真理奈の伯父だとしたらどうなりますか?」

高垣楓「氷室さんと綾辻さんを血縁関係にしちゃうんですか?」


リアル「もっと言えば、クゼマリナ(以下、久瀬真理奈)こと綾辻真理奈の生みの母親が氷室一聖の妹だったら、と言うことです」

藤原肇「血縁関係があれば、相続権は生まれますね」

リアル「もちろん、生存している一番近い親戚筋は綾辻真理奈です」

響子「それなら綾辻さんは民事訴訟を水沼貴雄や被害者遺族に請求できますね」

純希「水沼らから高額な賠償金を引っ張って来れるんだね、凄い♪」

リアル「そう、その損害賠償請求権があることが大事です」

肇「あればいいんですか?」

リアル「いいんです。なぜなら、加害者の綾辻真理奈は、自分のものであるはずの氷室一聖の遺産を被害者達から横取りされていたことになるからです」

美優「身内が身分を乗っ取られて財産を横取りされていたことは、十分に情状酌量されて然るべきですね

イオリス「母親の救護要請を拒否されたのとは違って、法的な根拠になりますからね。救護の義務はないですから」

凛「義務は無いって、先生がそんなこと言っていいんですか!?」

イオリス「ウソついて、あるって言う方が問題だわ」

リアル「また、損害賠償請求権を使わないで被害者個人の遺産に手をつけないことも大事なこと」

響子「え、請求しないことがなんで大事なんですか?


リアル「被害者遺族の処罰感情を下げるためですよ。被害者遺族としても、綾辻真理奈に長く刑務所にいてもらうよりも財産が目減りしない方がいいと思いますよ」

楓「その代わりに綾辻さんの減刑を被害者遺族に要望してもらうんですね」

リアル「Win-Winを目指すことが大切です。損害賠償請求は、やるにしても水沼貴雄の分だけで良いくらい」

純希「確かに生きているんだし、そのくらい請求しても良いよね♪」

美優「水沼さんは社会的にも制裁を受けそうですね

凛「生きていて逮捕もされないだけマシだと思わないと」

リアル「綾辻真理奈の話に戻ります。損害賠償請求権を使用しなかった綾辻は、被害者遺族から減刑の嘆願を出されるまでになり、懲役は異例の短さに。少なくとも、30歳より前には出所できます」

肇「2人殺害して10年も経たずに出所するのは異例ですね」

楓「遺産を奪われていたことによる情状酌量はかなり強力だったみたい」

美優「綾辻さんのその後はどうなるんでしょうか?

リアル「それなら、人気芸能人になった速水玲香を頼みにして再就職というのはいかがでしょう?」

イオリス「そのうち綾辻真理奈自身がネタになった番組もできそうだな」


純希「これが減刑編か♪」

肇「関係ない響さんを殺害して死刑になる加刑編と違って、ユーモラスなお話でしたね」

リアル「個人的にはイオリスの気持ちもわかるな」

楓「一体、どうしたんですか?」


リアル「何となく金田一少年の事件簿って、全体的に女性の犯人に甘過ぎる気がしますからね。直接危害を加えていない4人を殺害した綾辻真理奈が無期懲役だし、仏蘭西銀貨殺人事件の主犯の鳥丸奈緒子にも甘いし、銀幕の殺人鬼みたいな感じ悪い犯人も放っておけば良かったのに…」

響子「そ、そうなんですか?


リアル「だから加刑してハッキリ『死刑!』と言う姿勢は良かった。女性の犯人に厳しくないことの例外は怪盗紳士の殺人事件の犯人とかですね」


イオリス「お前が犯人に異常に肩入れしていた事件だな」

リアル「あれはおかしいって。佐伯航一郎なんぞを助けるくらいなら、彼女を助けるべきだったよ」

凛「他人に罪を押し付けようとしていたからね、佐伯航一郎」

肇「和泉さんも怪盗紳士に罪を押し付けようとしましたよ」

リアル「怪盗紳士は明らかな犯罪者だから良いのです。罪を押し付けられるのが嫌なら、最初から犯罪稼業に手を染めないこと」

美優「確かに人のものを盗むのは犯罪ですね

純希「綾辻さんも被害者のようなものだからね♪」

リアル「では、加刑編と減刑編の概要をまとめて終わりにしましょう」

A.加刑編(無期懲役→死刑)
死者:5人 殺害人数:4人(①〜④)
①響史郎{氷橋を見たため殺害} ②加納りえ ●明石道夫{仲間割れで比留田に殺害される} ③比留田雅史 ④水沼貴雄(ニセ氷室)
特筆:無し

B.減刑編(無期懲役→懲役一桁年)
死者:3人 殺害人数:2人(①、②)
●明石道夫{事故死} ①加納りえ ②比留田雅史
特筆:水沼貴雄は生存、綾辻真理奈は氷室一聖の母方の姪