http://mainichi.jp/area/news/20120521sog00m040007000c.html
飲酒不祥事:福岡市職員に「禁酒令」 市長が臨時幹部会で要請
2012年05月21日
飲酒が絡んだ市職員の不祥事が相次ぐ福岡市で、職員に外出先での飲酒を1カ月間禁じる「禁酒令」が「発令」された。前代未聞の強権発動に、市民からは理解を示す一方で、「ストレスがたまりそう」「やりすぎだ」との批判の声も聞かれ、職員には戸惑いが広がった。
「今回の機会をとらえて市役所の悪しき飲酒風土を変える。今の非常事態を自分のこととして意識改革の機会にしてほしい」。高島宗一郎市長は21日の臨時幹部会で怒りをにじませた。終了後、報道陣に「これまでの取り組みに甘かった部分があった。法的に強制はできないが私からの強い要請。この1カ月間に外出先で飲酒が確認されれば厳しい対応で臨みたい」と述べた。
結婚式での新郎新婦らには節度ある範囲での飲酒を認め、仕事上の酒席ではウーロン茶などソフトドリンクを飲むよう指導する方針。飲酒の末に暴行容疑で逮捕された職員が在籍する市港湾局の職員は「家で飲むことも多かったが、お酒とのつきあい方を考えるためにはそれもやめようと思う」と話した。
「1カ月ぐらい外で飲まなくても、家で飲めれば十分だ」。続発する不祥事に、同市のタクシー運転手、馬場定一郎さん(54)は当然といった様子。ただ「悪いことをしていない周りの職員が大変」と一部職員の不祥事に巻き込まれた形の職員に同情した。
これに対し、反発するのが同市博多区の無職、北野正さん(41)。「市長といえども、そこまで制限をかけて良いものか。飲まないとストレスがたまるだろう。家で飲むのと外で飲むのは全然違う。やりすぎ」と話した。
一方、禁酒対象は約1万8000人となる見通しで、市役所周辺の飲食店は売り上げ減にもつながるだけに、疑問の声が上がった。同市中央区にある居酒屋「ゆめ屋」の渡辺えり子さん(60)は、2~3カ月前から市職員の来店減を肌で感じる。2月に消防局職員が酒を飲んで車を盗み逮捕された事件が起きた時期に重なり、3~4月は歓送迎会も激減。来店する市職員も、飲酒の自粛ムードを口にしていたという。
渡辺さんは「これだけ言われて飲酒で同じ過ちを繰り返すとは」とあきれながらも「禁酒令に実効性があるのだろうか」と困惑した表情を浮かべた。
今回の措置に、斎藤文男・九州大名誉教授(行政法)は「市長が怒り心頭なのは分かる。だが、世間的に分かりやすいかもしれないが、やりすぎだ。市長のパフォーマンスで、芝居を打っているようにしか見えない。問われているのは職員のコンプライアンス(法令順守)意識の問題。職員研修の徹底など、抜本的な対策を取らないと解決にはつながらない」としている。
【木下武、関東晋慈、野呂賢治、青木絵美】
飲酒不祥事:福岡市職員に「禁酒令」 市長が臨時幹部会で要請
2012年05月21日
飲酒が絡んだ市職員の不祥事が相次ぐ福岡市で、職員に外出先での飲酒を1カ月間禁じる「禁酒令」が「発令」された。前代未聞の強権発動に、市民からは理解を示す一方で、「ストレスがたまりそう」「やりすぎだ」との批判の声も聞かれ、職員には戸惑いが広がった。
「今回の機会をとらえて市役所の悪しき飲酒風土を変える。今の非常事態を自分のこととして意識改革の機会にしてほしい」。高島宗一郎市長は21日の臨時幹部会で怒りをにじませた。終了後、報道陣に「これまでの取り組みに甘かった部分があった。法的に強制はできないが私からの強い要請。この1カ月間に外出先で飲酒が確認されれば厳しい対応で臨みたい」と述べた。
結婚式での新郎新婦らには節度ある範囲での飲酒を認め、仕事上の酒席ではウーロン茶などソフトドリンクを飲むよう指導する方針。飲酒の末に暴行容疑で逮捕された職員が在籍する市港湾局の職員は「家で飲むことも多かったが、お酒とのつきあい方を考えるためにはそれもやめようと思う」と話した。
「1カ月ぐらい外で飲まなくても、家で飲めれば十分だ」。続発する不祥事に、同市のタクシー運転手、馬場定一郎さん(54)は当然といった様子。ただ「悪いことをしていない周りの職員が大変」と一部職員の不祥事に巻き込まれた形の職員に同情した。
これに対し、反発するのが同市博多区の無職、北野正さん(41)。「市長といえども、そこまで制限をかけて良いものか。飲まないとストレスがたまるだろう。家で飲むのと外で飲むのは全然違う。やりすぎ」と話した。
一方、禁酒対象は約1万8000人となる見通しで、市役所周辺の飲食店は売り上げ減にもつながるだけに、疑問の声が上がった。同市中央区にある居酒屋「ゆめ屋」の渡辺えり子さん(60)は、2~3カ月前から市職員の来店減を肌で感じる。2月に消防局職員が酒を飲んで車を盗み逮捕された事件が起きた時期に重なり、3~4月は歓送迎会も激減。来店する市職員も、飲酒の自粛ムードを口にしていたという。
渡辺さんは「これだけ言われて飲酒で同じ過ちを繰り返すとは」とあきれながらも「禁酒令に実効性があるのだろうか」と困惑した表情を浮かべた。
今回の措置に、斎藤文男・九州大名誉教授(行政法)は「市長が怒り心頭なのは分かる。だが、世間的に分かりやすいかもしれないが、やりすぎだ。市長のパフォーマンスで、芝居を打っているようにしか見えない。問われているのは職員のコンプライアンス(法令順守)意識の問題。職員研修の徹底など、抜本的な対策を取らないと解決にはつながらない」としている。
【木下武、関東晋慈、野呂賢治、青木絵美】