『ルーパー』
《ループものの新たな傑作》

30年後の未来からタイムマシンで送られてくるターゲットを現代で殺す暗殺者たち。
彼らは最後には30年後から送られてきた自分自身を殺して引退し、30年たったら今度は30年前に送られ、自分自身に殺される。
そんな無限ループの中で起きる今の自分vs30年後の自分という夢の対決。
対決と言っても、ブルース・ウィルス演じる30年後の主人公にとってはたまったもんじゃない。過去の自分は全力で殺しに来るが、こっちは相手を殺す訳にはいかない。また、今と過去両方の自分の命を狙う敵組織の手に過去の自分が渡れば今の自分の命もない。そんな微妙な三つ巴の関係が、逃亡劇をスリリングなものにしている。
格差が激しく、人々が自分の生活を守るのに精一杯でお互いに疑心暗鬼になっているピリピリした未来都市の世界観は魅力的だが、撮影のほとんどが屋内か片田舎だったのが残念。ブルースのギャラで予算取られたか。
さて、中盤から物語に大きく絡んでくるある子どもが現れるが、この子役の演技が今作のMVP。ピアース・ギャニオンという名前らしいが、僅か7歳であれほどの狂気剥き出しの演技が出来るとは、ハリウッドは子役まで化物レベルだ。
30年後の主人公は何故過去に来たのか、未来の世界を牛耳る黒幕の正体と目的は何か、伏線が徐々に回収されるストーリー展開と、タイトルのもう一つの意味がわかる悲しいハッピーエンドの味わいは見事。