登場する人物・団体など名称は全て架空の物です
特定の地名なども一切関係ありません。
第1話完結
私は聖子、入社して3年目の序列順位最下位の平社員
週末家族で晩御飯を食べていたら玄関のチャイムが鳴った
インターホンが一番近い私がモニターを覗くとあのオヤジだ
廃棄物処理会社の社長が訪ねて来た
父にその事を伝え出てもらうと社長は私にも用事があると
一緒に話を聞いて欲しいと手土産まで持参して来た
社長は町内会役員も務めているから色々と大変らしい
社長は私の大好きな『良い所のプリン』を手土産で釣ろうとした
そして、私は単純だからそのプリンで釣られた、チョロイ女だぜ
結論から言うと、地域の町内会と盆踊り保存会の人達と
やぐらを組み立てる最中の記録係をして欲しいらしい
私を指名した理由を尋ねると「暇だろ?やる事無いだろ?」
7月第3土曜日はやぐら組立が行われた、町内会の倉庫から
やぐらの骨組みを中型トラックへ積み込みして会場まで運び
骨組み機材には印がされていて配置もそのように置かれた
コンデジでその様子を色々な角度から撮影をしていると
任期1年の町内会長が「東北と書いてあるからこっちだな」
すると保存会の人はそれはこっちだと言う
そんなやりとりがしばらく続いて何とか形になった
それにしても暑いぜ、みんなの背中が汗でビタビタだ
次の日曜日は飾付けだ、七夕で見掛ける吹き流しはスムーズに進んだ
本部や来賓客に景品交換などのテントは1組毎にカラーテープがあり
こちらもスムーズに組み立てられた
日曜日の夕方に食事が出ると言われたため指定された飲食店に行った
ご苦労さん会が始まった、土曜日の夜にネックの組立ての様子を
編集していて、日曜日の飾付けは特に問題点が無かったので
編集は短時間で済み夕方の食事会に間に合った
町内会役員の社長にUSBを渡す際に「問題はやぐらの組立だけだよ」
私は科学的・物理的・地理的根拠も無く言いたい事を言ってやった
・会場になる公園のメイン出入口が南南西だから『南』とする。
・そこを基準に東西南北に分ける。
・年寄りでも分かり易いように方角は漢字と数字だけにする。
・踊り場板は内側を1番として外側を2番と決める。
・ボルト長さの短と中は使い所をハッキリさせること。
・やぐら組付けボルトの締め付けは最後にすること。
・基準を決めないから人によってバラバラで分り難い。
・任期1年の町内会長達には事前説明会で周知徹底させること。
以上の8項目をそれなりに説明すると社長は
「だよな~」と他人事だぜ
私でなく妹に頼んでいたらこれだけで済まなかったと思うよと
最後に付け加えると、「だから聖子に頼んだのだ」だってさー
《年に1回の事だから気付いたこを、その場で修正するだけだ》
終わり