登場する人物・団体など名称は全て架空の物です
特定の地名なども一切関係ありません。
1話完結
私は聖子、入社して3年目の序列順位最下位の平社員
今回は会社の事では無くプライベートで言いたいことがある
今年の夏も毎日暑い日が続く、地球温暖化削減効果は無いのか?
会社も自宅もエアコンがフル回転だぜ
今日は母に代わって食材調達の買い出しに中型スーパーにやって来た
入口の自動ドアーが開くと涼しい引っ越ししたい気分にさせられるぜ
すると目の前には夏を感じさせるスイカがデーンと並んでいるぞ
スイカを見るとやっぱり小学生の頃をどうしても思い出してしまう
父の実家で祖父が畑で自給自足をしていてその中にスイカもあった
夏休みに遊びに行くと必ず庭先にあった手動式のポンプが付いた
井戸のところにスイカがバケツに入って冷やされていた
小癪で可愛い妹と2人で「もっと冷たくなれ~」と言いながら
井戸水を汲み上げていた事を思い出すぜ
しかし、祖父母も高齢になり農作物も縮小しスイカも消えてしまい
後継ぎの叔父さんは会社が忙しくて休耕畑に近い状態になってしまった
自宅の庭は猫の額ほどしか無く、車を2台並べるのが限界で余裕もない
そんな事を思いながら買い出しを済ませるとやっぱりスイカが気になり
自腹でスイカひと玉購入するため清水の舞台から飛び降りてやったぜ
自宅に戻りキッチンで一番大きいステンレスのボールに水を張って
蛇口からチョロチョロと水を垂らすようにスイカを冷やし始めた
そこへ用事を済ませて帰って来た母がスイカを見て
「あら、スイカ?聖子やっぱりアンタ気が利くね~、給料日だったね」
母が先手を取ってスイカはおごりにされてしまった
キッチンで私と母がガヤガヤとしていたため部屋で論文作成中の
小癪で可愛い妹が来て母がスイカは姉のおごりだと話した
「お姉ちゃんが冷やしたの?知らないのスイカの冷やし方?」
小癪で可愛い妹はキッチンにあった予備のタオルを濡らして
ボールからはみ出ているスイカに被せて水を垂らして見せた
「物質の伝達工学力学の知識があれば簡単なことよ」
小癪で可愛い妹は高校・大学で教えてくれない気になる事は
SNSを活用して知識を習得する事が得意で
まるでスパイアニメに登場する目的を達成させるためには
何でもする諜報工作員並みの習得術を持っている
晩御飯の支度が済むとスイカは半分に切られ鮮度を保つため
カット面にラップされて冷蔵庫へ入れられた
そして、母が最後のお風呂から出て来るタイミングを狙って
私がスイカを三角切りにして家族全員で食べる準備をした
小学生の頃に祖母が教えてくれたスイカの美味しい食べ方は
調理用で使う塩を指の腹に付けてスイカの食べる部位に
塗って延ばす方法だ、そのため小皿に調理用の塩を用意した
全員揃ったところでスイカを食べ始めると父はニコニコしながら
「やっぱり何でもそうだが、おごりの味は格別に美味いな~
聖子、また頼むぞ」
そんな親子の会話をしている隣で小癪で可愛い妹は
キッチンから小瓶の食塩を持って来て食べていた
スイカに食塩を主張する妹イメキャラ
「お姉ちゃん、知らないの?スイカには食塩だよ」
小癪で可愛い妹は次の事を述べた
「ナトリウム純度の高いのは食塩で、それと白い皮の部位は
赤い果肉の2倍の「シトルリン」という栄養素が含まれて
体内の老廃物を体外へ排出するのをサポートしたり
抗酸化作用やコラーゲンの分解を抑えるはたらきがあるので
紫外線から肌を守ってくれるのをサポートしているんだよ」
両親はまた始まったという顔でスイカを食べていた
「お姉ちゃんは私と違い、肌もツヤツヤで美人だから
誰に言っても説得力があるからね、本当だよ」
小癪で可愛い妹は相変わらずの褒め上手だぜ
《はいはい、来月の残暑が厳しい時もスイカ買って来るわ》
終わり