第4話

 

 誰が見ても初心者の滑りでリフト乗り場まで来ました

『俺達と琴美さんで一緒に滑るから良いなー』

次は長い距離が有るゲレンデに移動ですが先輩達は放置決定

滑っている間は会話をせずに済むため気が楽です

次のコースは1本目より斜度が有りました、父から特訓を受けた

カービングを久し振りにやってみるとドキドキしました

男性陣をポールに見立ててカービングしながら滑り抜けました

『なんだー?マジかよー』の声が聞こえました

上手く出来ると調子に乗る私、適当にカービングを混ぜて

顔は外気で冷たいけど頬は緩みっ放しでニコニコしてます

1日目が終わり晩御飯ですが男性陣は盛り上がってます

『初心者?どこがだよ、俺達よりレベル高いぜ』

私のカービングがコケたと思ったぐらい体が傾いていて

男性陣の1人が真似してみたらソレっぽく出来たと

箸を持ったまま身振り手振りで質問して来ました

『何をどうすればあんなにカッコ良く滑れるんだよ?』

初顔合わせの人と食事をする経験値が無いため苦手です

ハイとかイイエとかでその場を凌ぐのに精一杯でした

私の滑りであんなに盛り上がってくれて内心ホッとしながら

父が叩き込んでくれた基本動作・姿勢に感謝しました

 晩御飯後は徒歩5分程度の所にある温泉街に来ました

ホテル・旅館・民宿もズラリと並んで客層も様々です

お土産屋はスキーヤーやスノーボーダーのお客で賑わってます

男性陣がイルミが派手なラウンジを見付けて入店を聞くとOKが

男性陣は楽しい二次会ですが私は苦手の二次会です

お酒がダメと体を休める理由で参加を辞退させてもらいました

温泉街をキョロキョロしながらペンションへ戻る途中で

体も足元も冷えて来ました、そんな時に地味な喫茶店が目に入り

ホットミルクでも飲んで温まろうと思いお邪魔しました

私のボッチを悟ったマスターが無言でカウンター席を案内

入店して直ぐに電子ピアノの存在に気付きました

他には同年齢層のグループが談笑してました

カウンター席で冷えた両手を擦り合わせながらホットミルクを

注文すると昆布茶が入った小さな陶器のコップが出て来て

マスターが『それで手を温めて下さい』

お店は地味ですがホスピタリティーは個人的に高評価です

会話が苦手な私は電子ピアノを見ながら昆布茶をチビチビと

飲んでいると注文したホットミルクが来ました

ネシブちゃんねる

マスターがカウンターに置くと手の平を電子ピアノに向けて

《自由に弾いて下さい》無言の合図

折角なので私も無言で1曲合図の指を1本立てて

次の瞬間でした重大インシデント発覚です。

 

          つづく

 

主人公「琴美」

スキー場温泉街キャラ

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