第38話
 
サラは簡易ベッドから起き上がると大使館大使に
「大使のおじさん、サラは一生懸命に兵隊さんとの約束を守ろうと
しているのにあの人はさっきから約束を破らせる事ばかりだから
この飛行機を降りてサラを助けてくれた兵隊さん達と一緒の
飛行機で帰りたいのでお願いできますか?」
サラは半泣き状態で大使館大使に訴えた
大使館大使は座席から立ち上がるとサラから聞こえない場所まで
乗務員を連れて移動した
「君は搭乗機が故障などで緊急不時着するような命の危険を
経験した事は有るのかい?あの子はテロリストと我が軍と
銃撃戦と爆撃戦の中から助けられた経験をして来たんだ
あの子のママと再会するまでナベヘルメットを取るなと
我が軍の兵士と約束したんだ、あの子は純粋に守っているだけだ
搭乗する前に機長にはそれなりに話をしたんだが
君たち乗務員には話が通じていないようだね
今の話は国家のトップシークレットだから漏洩させたら
君がどの様になるかは責任を持てないよ良いね」
大使館大使は大袈裟に国家機密を持ち出して諭した
乗務員はその話にビックリして開いた口を両手で塞いだ
大使館大使はサラに乗務員に誤解が有ったようだ
もう大丈夫だから帰国するまで少し横になろうかと促した
そして大使館大使はサラをベッドで寝かせると機内に有った
バンケットで首に負担が掛からない様に何度も尋ねて調整した。
日本からある一行が西側国の首都が有る国際空港に降り立った
国際空港は先の大統領親子と市民の拉致事件が有ったため
入国審査など空港内は厳重に警備された状態だった
日本の一行は予約したホテルに到着すると直ぐに次の行動に出た
英語が話せる日本の男性は依頼者の老人の代わりに
大統領官邸のシークレットサービス事務局に電話を掛けた
「アポイントをしている日本の甘川ですが予定通りで良いですか?」
シークレットサービス事務局は計画予定表通りの面会で
間違いが無ければ許可すると念押しをした
日本の甘川と名乗る男性は○○○番街○○○ストリートの
とある施設で約束の時間より早めに行き再会を待った
アポイントの対象者は地元で良く知っている場所のため
5分前を目安に目的地に向かって歩いていた
待ち合わせ場所まで来ると良く知る日本人の姿が有り駆け寄った
「日本の甘川パパさん、お久しぶりですね」
 
                            つづく