今朝の産経新聞『産経抄』に先日の中国広東省仏山で起きたひき逃げ事件について触れていました。

中国の事件については当初記事にしようと思いながらタイミングを逸してしまったのですが、産経抄に書かれていたことで思い当たることがありましたので遅ればせながら記事にしました。



産経抄では1964年にニューヨークで起きた28歳の女性の惨殺事件を揚げています。事件は被害者の名前を取って「キティ・ジェノヴィーズ事件」と呼ばれているそうです。内容は女性が暴漢にナイフで襲われていたのに対し、目撃したり叫び声を聞いたりした人は38人にものぼったのに誰一人として救助や通報をしなかったせいで死亡したそうです。



中国の事件は「あぁ中国だからか」という先入観があったのですが、これは何処の国でも起こりうる事件だということです。



この事件について筆者は『傍観者効果』を引き合いに出しています。

『傍観者効果』とは現場にいる人数が多いと返って傍観者となり行動が遅れたり何もしなかったりするという心理学用語だそうです。



少し前に観た藤木直人と松下奈緒のドラマ「コントロール~犯罪心理捜査」をを思い出しました。

このドラマ、冒頭から主役の刑事約松下奈緒が犯人に撃たれてしまう。退院復帰後異動となった部署で心理学教授の藤木直人と組むことになり、講義中の藤木直人を訪ねると松下奈緒が撃たれた事件の映像を元に講義をしていました。

講義の内容は事件の周りにいた群衆は傍観者となり誰一人動こうとしなかったという点を指摘し、人間は傍観する人数が多いほど何もしないという心理が働くというものでした。

人数が少ないと協力しあうのに、多いと「誰かが動くだろう」ということでそれは誰しも思い当たることだと思います。



中国の事件の背景にはこの心理の他に、路上で倒れた高齢者を助けると「お前が突き飛ばした」と言いがかりをつけられ恐喝されるということが多発していることの方が強いようです。



最近の世の中に有りがちなことと思えますが、アメリカの事件が1964年東京オリンピックの年ですから今に始まったことではないのですね。