村の半数が老人という過疎の村。深い緑に包まれ、青々とした田んぼが続く。

この村のたった一人の医師、伊野(笑福亭鶴瓶)が失踪した。村長から届けを受けた警察が捜査を始めると、村人にとっては思いがけない事実が明らかになる。

研修医として診療所に赴任してきた相馬(瑛太)。都会育ちで今時の若者だけれど、村の人たちと伊野の関係を見るうちに、この村での仕事のやりがいを感じ始めていた。

優秀な看護師(余貴美子)が付いていたけれど、村の人の命を一人で背負ってきた伊野。でも、それはギリギリの綱渡りだった。どうしても明かせない事実があったから。

一人暮らしのかづ子(八千草薫)の病状を娘(井川遥)に隠さなくてはならなくなってしまったとき、かづ子の命の期限を肌で感じてしまったとき、この村で築いた全てを放りだすしかなかった伊野。

伊野の正体を知ったとき、村の人たち、診療所と村を医師と同じぐらい見てきた製薬会社の営業マン(香川照之)、そして相馬も、どう受け止めていいのか分からなかった。伊野がなぜそんなことをしたのか、誰にも分らなかったから。そこにいた皆が過疎の村の理想の医者の姿を伊野に求めていたから。


映し出されているのは、のどかな村の風景。でも、始めから終りまでずっと心がザワザワ。揺さぶられる。伊野の視線で見てしまう。だから、そののどかさが壊れそうでずっと怖かった。

凄い作品です。



寝る間を惜しんで。。

寝る間を惜しんで。。